拝啓

時下益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、当EEE会議主催の定例講演・研究会は、お陰で順調に回を重ね、近く第6回
会合を次の要領で開催いたします。

これまでの会合では、原子力政策や核燃料サイクル関係のテーマが中心となってい
ましたが、今回はちょっと趣向を変えて、原子力施設の安全保障、とくにテロ攻撃等
への対策問題、いわゆる物的防護(physical protection=PP)問題を取上げてみたい
と思います。

ご案内のように、2年前の9.11事件以後米国ではテロ対策が益々厳しくなって
おり、国際的にもIAEAで見られるようにPP措置の強化が重要課題となっており

すが、日本では、原子力発電の安全性(事故防止対策)が重視される反面、PP問題
に関する認識や関心は比較的低調のように思われます。米国と違い、日本ではテロ
攻撃の可能性は低いから心配いらないということかもしれません。

しかし現実はーーあまりアラーミングなことを言うつもりはありませんがーー例え
ば、
つい最近、国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディンの肉声だという
録音テープがカタールの衛星テレビ局アルジャジーラから放送されました(10月
18日)。それによれば、自爆テロの対象を米国とその同盟国に拡大した点が特に
注目されます。 

すなわち、ビンラディンは、米国の「内外で」米権益に対する自爆テロを続行する
と改めて強調するとともに、「(イラクにおける)不当な戦いに荷担するすべての
国々、とりわけ英国、スペイン、オーストラリア、ポーランド、日本、イタリアに対
し、
適切な時と場所で報復する権利を留保する」と公言しております。これは、明らか
に、米国の同盟国としてイラク戦争をいち早く支持し、今また自衛隊のイラク派遣
を計画している日本に対する警告であり、我々日本人としては、今までのように
安閑としてはいられないのではないでしょうか。

もちろんテロ攻撃の対象は原子力施設と限られるわけではありませんが、原子力
施設が狙われる可能性は排除されておらず、この際日本の原子力施設の安全保
障(PP)問題を考え直してみる意義は十分あると考えた次第です。 講師には、
我が国唯一の専門会社として定評のある企業のトップをお迎えしており、貴重な
お話を伺えると思いますので、皆様、万障お繰り合わせの上、多数ご出席ください
ますよう、ご案内申し上げます。

1.日時: 2003年11月5日(水) 午後2〜4時

2.場所: (財)原子力発電技術機構(NUPEC)   会議室
          港区虎ノ門4-1-8 虎ノ門4丁目MTビル7階 (:4512-2518)

3.講師: 笛木 謙右氏 (株)日本原子力防護システム 代表取締役社長

4.演題: 「日本の原子力施設の安全保障:現状と問題点」


追って、出席希望の方は下記フォーマットにより11月1日(土)までにemailで
お申し込み下さい。