040124 　Re: ＩＴＥＲ誘致問題：六ケ所村に本体、仏にデータ解析所を建設、日本の駐仏大使が
　　　　　　ルモンド紙に寄稿

◆ＩＴＥＲ　仏にデータ解析所　青森・六ケ所村に本体を建設
　（共同通信、２００４年１月２３日）

　【パリ２３日共同】国際熱核融合実験炉（ＩＴＥＲ）の誘致問題で、平林博・駐仏
日本大使は２３日付フランス紙ルモンドに寄稿し「本体を（日本の）青森県六ケ所村
に建設し、内陸でも建設が可能なデータ解析・遠隔操作センターを（フランスの）カ
ダラッシュに建設する」と提案した。日本がフランスに対し、こうした提案を公表し
たのは初めて。

　「ＩＴＥＲで小競り合いはやめよう」との寄稿で、平林大使は、ラファラン首相が
今月中旬「欧州単独でもＩＴＥＲを実施するかもしれない」と述べたことについて、
「フランスは国際協力なしに計画を実施したいのか」と問い、国際協力が成功の鍵だ
と強調した。

　大使は（１）核融合分野の科学的蓄積は日本がフランスより優れていることを世界
の科学者が認めている（２）巨大な精密機器の運搬にはマルセイユ近郊の港からカダ
ラッシュまで９６キロの道路に問題があり、車線拡大、２６本の橋の補強、トンネル
迂回（うかい）路などの土木工事の計画が不明、などと指摘した。

　大使は「日本はすべてを六ケ所村に建設することを考えてはいない」とし、本体を
六ケ所村、データ解析センターなどをカダラッシュに建設するとの案を示した。

　ＩＴＥＲの建設地誘致をめぐる昨年１２月末のワシントンでの関係国閣僚級会合
で、米国、韓国が日本を支持、ロシア、中国がフランスを支持して対立、２月の会合
に決着が持ち越された。
　今年１月初めエーブラハム米エネルギー長官が日本支持をあらためて表明した。


（提供：熱田利明氏）