Subject: EEE会議(Re: Re: またもや日本核武装論)
Date: Tue, 7 Jan 2003 00:20:59 +0900
From: "kkaneko" <kkaneko@eagle.ocn.ne.jp>

各位

北朝鮮の核開発問題との絡みで「日本核武装論」がしきりに聞こえてきます
が、
昨年末米国ワシントンで開かれたある国際会議でも、この話題がかなり大きく
取り上げられた模様です。小生はこの時期ベトナムに行っていたため全く気が
付きませんでしたが、偶々この会議に出席した在米の友人から、その概要を
知らせるメールをもらいましたので、早速ご披露いたします。 このメールに
ざっと目を通しただけでも、最近の米国人の問題意識(危機意識)が十分窺が
われます。それに引き換え我が国では、相変わらず拉致問題ばかりが話題に
なっていて、安全保障問題への目配りが極めて不十分なのは、嘆かわしい
限りです。  
金子熊夫

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(前略)
さて、最近の米国の様子ですが、昨年11月半ばにカーネギー国際平
和財団主催の「国際不拡散会議」(2002 Carnegie Non-Proliferation
Conference)がワシントンで開催されました。一昨年の同名会議にも参加しま
したが、2年前と去年の大きな違いは日本についての取り扱いです。2年前は
全くと言っていいほど日本に関する議論はありませんでしたが、去年は日本の
核能力にかかわる議論が比較的目立ちました。

 新年のワシントン・ポスト紙(1月3日付け)にもありましたが、今後北朝
鮮問題に絡んで日本の核能力に関する議論がより好んでワシントンで展開さ
れていくものと個人的に思っています。この種の議論の特徴ですが、日本の
メディアにはあまり取り上げられず逆にワシントンのシンクタンク等でより興

深く(やや興味本位的に?)議論される傾向が非常に強く、それだけに危険で
もあります。カーネギー国際会議には(電中研の鈴木達治郎氏などの顔は見
えましたが)あまり日本人の傍聴者がいないのが毎度の傾向で、この点も
非常に残念に感じました。

 なお、カーネギー会議の概要は下記のウェブサイトで見られますので、ご参
照ください。特に、このウェブサイトの一番右のコラムにある"New Nuclear
Power in Asia" というパネルでは、正に日本の核武装問題がとり上げられま
した。

http://www.ceip.org/files/projects/npp/resources/conference2002/newcon
fpage.htm

 また、このサイトの右側には、同会議を傍聴した英紙「ガーディアン」Dan
Plesch記者の"With Disarmament off the Agenda, Will Japan go Nuclear
Next?" という記事も載っておりますが、そこでも「日本の核武装は必ずしも
悪い考えではない。日本では最近核問題をタブー視する傾向が薄れてき
ている。うんぬん」という米国の専門家たちの分析をかなり詳しく紹介して
います。 因みに、北朝鮮問題のセッションでは在米日本大使館の船越
書記官がスピーチをしております。 以上ご参考まで。

   <匿名希望>