Subject: EEE会議(Re: 北朝鮮核問題)
Date: Mon, 13 Jan 2003 08:01:41 +0900
From: "kkaneko" <kkaneko@eagle.ocn.ne.jp>

各位

イラクや北朝鮮問題の背景として、NPT(核不拡散条約)とか国際核査察とい
うことが最近また一般に聞かれるようになりました。これらは専門家の間では
先刻自明のこととしてtake for grantedされていますが、一般の人々には結構
驚きのようです。内外のマスコミに時々現れる日本核武装論もこうした点が1
つの背景となっているものと思われます。今朝たまたま拙宅に舞い込んできた
あるメールマガジンにもこんなことが書いてありました。ご参考まで。
金子熊夫
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 < 核の「ダブルスタンダード」>

 危機を次から次へと演出する北朝鮮ではあるが、この危機自体は、イラクと
同様に、核兵器保有国を現保有国以外に増やさないための核拡散防止条約(N
PT)を前提とするところから生じている。

 NPTは1968年に米英ソの核保有3カ国と非核保有国53カ国が調印し
、70年3月に発効。日本は76年に加盟し、国家主権を盾に最後まで抵抗し
ていた中仏両国が加盟したのは20世紀も末期の92年。

 印パ両国の核は、インド亜大陸という地政学的立地条件から、誰も手が付け
られない状態なのが実情。安保理常任理事国の核保有国がそのまま保有を認め
られ、非核保有国が核を持つことを禁じるという軍事的に見れば極めて偽善的
な国際的取り決めだ。

 北朝鮮は93年3月の朝鮮半島核危機の際いったん脱退を宣言したものの同
年6月の米朝高官協議で脱退を保留。従って、今回の脱退宣言はこの保留を解
いただけもといえる。

 北朝鮮のNPT脱退宣言を受けて、米保守派の内部で日本核武装論という手
前勝手な議論が登場する下地も、排他的な「核クラブ」を現状のまま保持しよ
うとする戦勝国の既得権確保に汲々とする実態を改めて浮き彫りにしている。

 誤解を恐れずに言うなら、核にもまた「ダブルスタンダード」が存在する。
(了)

石川純一(文責)
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