Subject: EEE会議(日本核武装論、北朝鮮、ロシアなど)
Date: Wed, 22 Jan 2003 11:54:30 +0900
From: "金子 熊夫" <kkaneko@eagle.ocn.ne.jp>

各位

年初から色々なメールを差し上げましたが、これらについて、品川信良先生(弘前大
学名誉教授)から次のような包括的で示唆に富むコメントをいただきました。ご参考
まで。
金子熊夫

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・まずは「日本の核武装論」に関してですが、これを戦わせることには、
日本国内では色々抵抗や批判もありましょうが、結構なことかと思います。
現にアメリカなどでは、これだけ、あれだけ戦わされているのですから、
日本でも、もう少し議論されてもよろしいかと思います。
実は昨年4月7日から約十日間、私は国連本部で、
「NPT見直し」関係の諸会議を傍聴してまいりましたが、
そこでは、例の「小沢発言」に関するパンフレット(もちろん英文)も、
早々と配られていました。

・次は「北朝鮮」問題に関してですが、マスコミはともかく、
小泉総理などまでが、当初、拉致問題を「最大の課題」としていたのは、
どうしたものだったでしょうか。
「国際音痴」と笑われていたという話も聞いたことがありますが。
果たせる哉、その後間もなく、核関係の諸問題が表面化致しました。
この問題に関しても、日本国内では、もっと突っ込んだ議論が
必要かと思います。例えば、朝鮮半島を含む北東アジアの
「非核(地帯)化問題」などがそれです。
ご承知の通り、「釈迦に説法」になりますが、IPPNWなどでも、
この問題は何度か議論されています。むしろこの際、
IPPNWなどが政治家諸公をリードしてもよろしいかとも思っています。

・三番目にお伝えしたい印象は、「対ロ非核化協力(または支援)」問題に
関してです。率直に言って、この呼び名は誤解を招くと思います。
旧ソ連やロシアの「核廃棄物」または「軍事用核廃棄物」の
「処理協力」とでも、はっきり言うべきだと思います。
さもないと、ロシアが、モンゴールのように、「非核化宣言」を
日本と一緒に検討しているみたいな誤解を招きます。
実は私は最初、あの字句を見たときに、
旧ソ連の原子力潜水艦などのことは頭に浮かびませんでした。

・クルチャトフ研究所での小泉総理の御講演には感激しました。
と同時に、なぜこれだけの内容のものが、日本の新聞などには
紹介されないのか、不思議でなりません。報道されたのは、
北方領土問題と、石油の話、北朝鮮問題ぐらいのものでした。

・最後に、ヴェトナムと原発の問題に関してですが、
原発を造るときには、その前に、核廃棄物の処理をどうするかも
検討しておくよう、是非、御指導願いたいと思います。


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色々失礼しました。
毎日、EEE 情報を、雪のなかで楽しみにしております。

品川 信良