Subject: EEE会議(Re:「もんじゅ」判決について)
Date: Wed, 5 Feb 2003 00:56:02 +0900
From: "kkaneko" <kkaneko@eagle.ocn.ne.jp>

各位

桜井淳氏(技術評論家)のHP(http://www.smn.co.jp/JPN/security/)に「もん
じゅ」判決に関する論評が載っています。 技術的な問題点に関する部分は割愛し
て、冒頭と最後の数節をご紹介します。ご参考まで。

金子熊夫

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<緊急提言>
高速増殖原型炉「もんじゅ」設置許可取り消し行政訴訟判決の客観的評価

 今週(1/27)、大変ショッキングな出来事がありました。高速増殖原型炉「もん
じゅ」の
判決です。原告側は、設置許可取り消しの行政訴訟を起こしたわけですが、取り消
しよも
きびしい「安全審査無効」の判決が出ました。国の全面敗訴です。国の権威の喪失で
す。

判決全文を熟読・吟味し、推進でも反対でもない公正な立場で、客観的な評価を
した場合、判決の受け入れられる部分とそうでない部分が何であるか検討いたしまし
た。その論文をまとめ中です。

以下は、私が主張したいことです。  

      (中略)

 この判決は、原告側の作戦勝ちです。すなわち、反原発の日弁連の弁護士が関わっ
たこと、久米三四郎氏と小林圭二氏という反原発の実力ある学者が関わったこと、こ
れらの現実を国や原子力界が甘くみたこと、世界と日本の事故・不祥事、特に1990年
代から今日までの事故による安全審査・安全規制の不十分さ等、総合的に考えれば、
このような判決への追い風になったものと思います。
 国は上告することになった。今後は、双方がより確実な論拠を提示し、生きるか否
かの死闘を演じることになるでしょう。廃炉の可能性も出てきます。その意味では、
夢の核燃料サイクルをもたらす「もんじゅ」は、国家プロジェクトとして国産動力炉
開発に莫大な税金が注ぎ込まれたにも関わらず、納税者の国民には何も還元されな
い、夢のない不経済サイクルを作り出してしまいました。停止中でも年間100億円の
管理費を費やしている現状は無視できないことです。さらに安全審査無効とは困った
問題が発生したものです。

 ここでは、私の論理のみ記し、詳しくは正確な論理構成と事実関係の提示により、
長文の論文として社会に問題提起いたします。

              (2003/2/1)