----- Original Message -----
From: kkaneko
To: Undisclosed-Recipient:;@m-kg202p.ocn.ne.jp;
Sent: Sunday, February 09, 2003 6:51 PM
Subject: EEE会議(Re: 北朝鮮核問題、日本の核燃料サイクル計画など)


各位

標記テーマに関する豊田正敏氏のコメントに対して、澤田哲生氏
(東工大)から次のようなメールが寄せられました。関連情報をお持ち
の方は、どなたでもどうぞ。
金子熊夫
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豊田さんのコメントは非常に興味深いものですが、一点、氏の
論点で重要と思われる“米国政府機関・・・”の箇所ですが、
この引用と思われる箇所の原典を教えていただけませんか。

尚、ご存じかとは思いますが(一部の方には釈迦に説法かとお
もいます。聞き流してください)、プルトニウム式爆弾ではイ
ンプロージョン(爆縮)の構造設計になかなか複雑な計算を要
しますし、自発核分裂との関連で実際に上手くインプロージョ
ンさせ十分な起爆性能が得られるか分からない。ここでしくじ
る未熟な爆発(fizzleといいます、これは線香花火がしょぼし
ょぼ燃えるようなイメージですが)しか起こせない可能性が高
いはずです(といってもこれでもかなりの破壊・殺傷威力はあ
ります。しかし、中途半端な爆発はダーティーボムをも意味し
ますので、戦後処理に兵士が被爆地に踏み込むのに厄介な問題
が生じます。つまり、兵士が被曝しますので)。また実験的確
証がないとシミュレーションだけでは確かなことは言えないと
思います。
(濃縮ウラン式の原爆は、ガンタイプといわれていて構造が比
較的単純で、自発核分裂の問題もないので、起爆の確実性が高
い。広島・長崎に備えて、トリニティー実験を行ったのはイン
プロージョンの難しいプルトニウム型で、ウラン型は実験もせ
ずに実戦使用しています。)

ドイツのFZKの元所長であるG. Kessler博士(既に引退した
高速炉の世界では有名な原子炉物理学者です)が、原子炉級Pu
でfizzle以上の“高性能”原爆製造が可能かどうかを理論的に
解明しようとしたがなかなか単純な結論は出せなかったような
ことをいっています(この詳細な論文はただいま入手中です)

また、米国のある筋には政策的意図をもって下記のような言説
を流布する場合もあると解釈しています。
いずれにしても、下記の内容がどの程度の理論と実験検証に基
づくものなのかを是非知りたいところです。
出典や関連論文を教えていただけませんでしょうか。宜しくお
願いいたします。

東京工業大学
澤田哲生

on 03.2.9 0:03 PM, kkaneko at kkaneko@eagle.ocn.ne.jp
wrote:

米国政府機関は「高燃焼度の軽水炉燃料或いはMOX燃料から回
収されたプルトニウムにより、比較的単純な装置で1ないし数
キロトンの爆発力になり、より高度の設計技術を適用すればよ
り高度の破壊力を持つものが生産可能である。」と述べており
ます。