Subject: EEE会議(Re: IAEA核査察制度の有効性)
Date: Tue, 18 Feb 2003 21:24:25 +0900
From: "kkaneko" <kkaneko@eagle.ocn.ne.jp>

                        
IAEAの核査察に関しては、本日の別のe-mailで述べていますが、黒井氏の意見に対し
て若干補足したい。
国家レベルで政府がはっきり核兵器を持つと決めれば、IAEAの査察をごまかしたり、
不正を指摘されても拒否することは可能でこれに対してIAEAには強制的に査察を行う
権限がないことが問題であると考えます。現に、イラクや北朝鮮に対してIAEAの査察
では核兵器の存在を検知することが出来なかったのではないでしょうか。
私の先のe-mail(2月9日)では、北朝鮮に軽水炉の建設を援助するのは、日本の脅威に
なることを指摘することに主眼を置いたつもりです。黒井氏が指摘しておられるよう
に、IAEAが査察員を常駐させて24時間監視する体制をとり、事業者が査察員の指摘を
遵守するのであれば核拡散防止は可能であることに異論はありません。
しかし、これには、
@IAEAの現在の陣容と予算で世界の全原子力施設で同様の査察体制を取れるかどう
か。
A核兵器を持つ意思のある国が、査察員の指摘を無視した場合、強制的に従わせるこ
とが出来ない
という問題があると考えます。

なお、黒井氏にお聞きしたいのは、MUFについて
@MUFを25~30kgと決めた核拡散防止の観点からの根拠
A貯蔵タンクなどにあるPu溶液がタンク全体に均一でなく、一部にPu濃度の濃い部分
が出来るため、サンプルによってはPu量の正確な把握が難しいが、六ヶ所の場合、
25~30kgの達成は容易に可能なのでしょうか。
B現在、核兵器を持つ意思のない日本に対して、何故このように不当に厳しい数値を
押し付けようとするのでしょうか。以上

豊田正敏