エネルギー問題に発言する会
Subject: EEE会議(Re: IAEA査察制度の有効性、原子炉級プルトニウム、日本核武装論など)
Date: Fri, 21 Feb 2003 16:52:25 +0900
From: "kkaneko" <kkaneko@eagle.ocn.ne.jp>

各位

標記件名の「文明評論家」氏のコメントに対し、豊田正敏氏より次のメールを頂きま
した。 ご参考まで。
金子熊夫
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「文明評論家」氏のコメントは非常に参考になりました。 同氏の「IAEAの保障措置
は核開発を意図する国家に対する核拡散防止には、少なくとも万全の仕組みを提供し
ていない」と述べられておられるのに同意見であって、むしろ「核拡散防止に対して
実効性がない」と言うべきであると考えます。人材、予算の制約の下で、IAEAの査察
制度をどのように実効性のあるものにすることが出来るかについて原子力関係者は真
剣に検討すべきであって、現在の国際機関の仕組みでは止むを得ないと言って済ませ
られる問題ではないと考えます。

なお、私は、2月9日のe-mailでも述べているように、「原子炉級プルトニウムでも高
度の破壊力を持つものは生産可能である」との米国政府関係機関の主張に対して反論
する根拠がないと考えており、「原子炉級プルトニウムを選択することはありえな
い」とは一言も言っておりません。

また北朝鮮に対して軽水炉の建設を援助するのは、プルトニウム239の純度の高いプ
ルトニウムを提供ようするようなもので中止すべきであると主張しておりますが、こ
れに対する古川氏の質問に端を発し日本が国家レベルで核兵器の保有を決めれば、持
つことが可能かという議論にそれてしまったのは残念です。日本が核兵器を持つ意思
がない現段階で仮定の議論をして見ても無意味であると考えます。そのようなことが
ないことを期待したいのですが、仮に、日本が核兵器を持つことを国家レベルで決め
た場合には、その時点でどのような方法を取るかを真剣に検討すればよいのではない
かと考えます。以上