Subject: EEE(原子力のロジステック 国際価格に戻すために)
Date: Mon, 24 Feb 2003 08:12:09 +0900
From: "kkaneko" <kkaneko@eagle.ocn.ne.jp>



各位

昨日お送りした匿名希望氏のメール「原子力の競争力」は、小生が勝手に件名をつけ
たもので、その後同氏から、少々加筆修正したメール(件名は元々「原子力のロジス
テック 国際価格に戻すために」)が送られて来ました。よって以下のとおり再送信
します。重要なテーマであると思いますので、皆様の活発な議論を期待いたします。

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<原子力のロジステック 国際価格に戻すために>

原子力の初期は海外からのターンキーで原子力発電の技術導入を図ってきたわけで
す。民が導入してきたわけです。耐震設計など一部は日本固有ですが、他は国際価格
とそれほど変わらないはずでした。

しかし、原子力に対しての不安、地域共生、核燃料税、国際的に見ても超保守的な基
準や、合理的基準を議論する専門家や場の不足があり、国際価格に比べて、割高に
なってきている。

さらに、国内価格としては顕在化していない廃棄物費用は、米国やフランスのように
国が一定価格で引き取り国が責任を持つのと異なり、日本では発生者責任で、この費
用も原子力発電単価に入ってくる。

以上のような背景で、海外では他の電源にくらべて競争力のある原子力発電も、日本
では競争力が失われる状況下にある。

では、どうするか。

本来、国策民営で実施してきたはずの原子力、これは石油危機への備えや石油、天然
ガスなどの価格交渉のバーゲニングパワーやさまざまなトラブルへの備えとして柔軟
性を持つ、電源の多様化(ベストミックス)に寄与する、その前提は崩れたのだろう
か。

そうでないならば、まず日本の原子力の価格を国際基準にまで戻す努力を、国として
実施すべきである。もちろん、これには専門知識をもつ内外のNPOの協力が欠かせ
ない。

他方、廃棄物は、民間の原子力発電所からだけではなく、原研、サイクル機構などの
国の研究機関や大学の研究施設からも発生し蓄積している。 産官学全体の問題でも
ある。

国際標準まで合理化する努力として、技術的な部分と制度面などの政策的な面があ
る。それぞれについて、産官学がどのようにロジステックを組むべきなのか。

再度役割分担なり、効率的運用を考えるべきである。


電力自由化の目的は、電気料金を国際価格に近づけることである。合わせて、日本が
今後想定されるさまざまな環境下でその価格を維持できるようにすることが、国に求
められる。

すなわちベストミックス下で、それをどのように達成するか。公正でオープンな議論
が求められる。

たくさんの専門家を抱えるEEE会議で、日本の未来、海外での良好、失敗事例をに
らみながら、皆様でスパイラルに議論していただければ幸いです。