Subject: EEE会議(Re: 「もんじゅ」判決について)
Date: Sat, 8 Mar 2003 00:12:07 +0900
From: "kkaneko" <kkaneko@eagle.ocn.ne.jp>

各位殿

一昨日配信しました秋元勇巳氏のご意見に関連し、匿名希望氏(ハンドルネーム:中
性子)から次のような注目すべきコメントをいただきました。 さらなる論議の盛り
上がりを期待いたします。
金子熊夫
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 秋元論文を読んだ時点では、全く同感でしたが、昨日(3月5日)、日本原子力
学会主催の緊急討論会に出て、原告側の久米氏の話を聞いて、彼の主張が
全部、正しいものではないにしても、判決の裏が十分、世間に伝わっていな
かったことがわかりました。

 久米氏の言うことは、
1 最高裁で、原告適格性が認められている。 危険性があれば、離れたところの
  住人でも、行政裁判を起こせるのだ。
2 安全委員会は、高速炉の安全指針として、20年以上前に作られたものを、
  殆ど改定せずに今日まできており、怠慢のきわみである。
3 裁判中に、14回も午後半日をかけて、裁判官と、原告、被告が同席して、説明、
  質疑を行う説明会が開催されたが、被告側は、原告、裁判官からの問いに、
  満足に答えられなかったことが、ままあった。
特に、2に関連する”5項事象”(高速炉の過酷事故のようなもの)
について、 徹底的にやられ、裁判官の意見を形成したようでした。

一方、保安院の課長が言うには、例えば、「ナトリウムが床にこぼれた場合の、
安全性については、こぼれることは無いので、そのような事象は考えていない」とい
うような対応をしたと言っていました。

 つまり、負けるべくして負けたとの感想を持ちました。
被告側は、「説明が不十分で裁判官が誤解したこと、裁判官の訴訟指揮が悪くて、
証人調べもせずに、判決を下した」と主張をしていましたが、敗因を的確に捉える
ことなく、上訴審で、従来の考えで対応すれば、又、負ける可能性が多いにありま
す。

会場に秋元さんのお顔も見えましたので、恐らく、何かしら、改訂されると思います
が、実態を正確に知ることの重要性を再認識しました次第です。
  
<中性子>