Subject: EEE会議(再燃する日本核武装論)
Date: Thu, 13 Mar 2003 18:26:27 +0900
From: "kkaneko" <kkaneko@eagle.ocn.ne.jp>

各位殿

北朝鮮問題の緊迫化に伴い、またまた米国あたりから「日本核武装論」が浮上して
ました。当EEE会議でも年初以来再三にわたって紹介してきましたが、以下、毎日新
聞が最近報道した情報です。ご参考まで。
金子熊夫
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極東にも「パンドラの箱」 日本の核武装 議論に
 (毎日新聞、2003年3月5日“民主帝国(8)”)

 (前略)
 米国では今年に入り、主要紙や有力議員らが相次いで「日本核武装論」を提唱して

る。 その一人、有力シンクタンク「ケイトー研究所」のカーペンター副所長は1
月、
「核兵器を持つかどうか、日本と勧告に自分で判断させるべきだ」と政策提言した。
論文
発表後、中国の官僚やメディアは敏感に反応した。
 カーペンター氏は「北朝鮮の核保有はいずれ認めざるを得ない。日韓の核武装で東
アジ
アの勢力範囲を図ろうという考えだ」と説明する。しかし、現時点での「日本核武装
論」
は、対日警戒論が強い中国をけん制し、北朝鮮問題に取り組ませるための「ジャパン
カー
ド」の色彩が濃い。
 国務省幹部は「いずれ中国とは『核武装した日本が登場してもいいのか』と話し合
う時
期がくるだろう」と率直に語る。朝鮮戦争を結束して戦った中国と北朝鮮の関係は
「鮮血
で染めた友誼」と形容される。その中国を動かし、北朝鮮の核開発を断念させるとい
う深
謀遠慮が動く。

 しかし、日本政府の一部には「カード」以上の意味を持って伝わる。防衛庁幹部は
「国
防総省から、日本は核をもちたくないのかと聞かれた。北朝鮮が核を配備すれば、日
本が
核を持つこともあり得るだろう」と語る。
 また、日本政府筋は「日本はある程度、理論的に核武装が可能になったともいえ
る」と
の見解を示す。同筋によると、日本は90年代前半、旧ソ連の核ミサイル解体への貢
献を
検討する中で、安全な解体のために製造法を知る必要に迫られた。その結果、完成品
から
逆に製造過程を解明する「リバース・エンジニアリング」の手法で核兵器製造の詳細
を解
明したという。
 製造に関する報告書を核保有国の専門家に渡し、「誤りがあったら言ってくれと頼
んだ
が、ほとんど指摘はなかった」という。カーペンター副所長は「米政府内には、日本
は核
保有の選択肢を持っているとの疑念がくすぶる。日本は非核を主張するが、現実に
取って
いる行動は少しあいまいだ」と指摘する。
 (後略)