Subject: EEE会議(Re: 東海再処理工場のプルトニウム計量誤差問題)
Date: Tue, 1 Apr 2003 22:56:25 +0900
From: "kkaneko" <kkaneko@eagle.ocn.ne.jp>

各位殿

核燃料サイクル開発機構(旧動燃)の東海再処理工場で過去23年間に206kgのプ
ルトニウムの「計量誤差」があったという問題につきましては、当EEE会議でもさ
る1月いろいろ議論したところですが(1月28日付けメールなど参照)、その後の
状況が気になっておりました。この問題について、2つの新聞報道による最新情報を
お伝えします。ご参考まで。
金子熊夫
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プルトニウム抽出量不足は59kgで「妥当範囲内」
 (読売新聞ニュース、2003年4月1日)

 核燃料サイクル開発機構の東海再処理工場(茨城県東海村)に搬入された使用済み
核燃
料のプルトニウム推定含有量に比べ、実際に取り出された量が昨年までの23年間で
20
6キロ・グラム不足していた問題で、文部科学省は1日、詳しく調査した結果、不足
分は
59キロ・グラムだったことが判明したと発表した。

 同省は測定や計算の誤差を考慮すると、この不足量は妥当な範囲内としている。国
際原
子力機関(IAEA)も同様の評価という。

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核燃東海のプルトニウム不足、IAEA「転用ない」
 (茨城新聞、2003年1月30日)

 国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は二十八日、核燃料サイクル開発
機構
の東海再処理施設(東海村)で二十五年間に抽出されたプルトニウムが約二百キロ不
足し
ていることが明らかになった問題に関して、不足量はIAEAの査察結果に基づく推定値
とほ
ぼ合致しており、「転用などはないと確信できる」とのコメントを発表した。
 IAEAはかねて、核再処理施設で核物質の量が正確に測定されていないと警告してお
り、
東海再処理施設でも搬入された使用済み核燃料の中に計算上含まれるプルトニウム量
に比
べ、再処理で抽出したプルトニウム量が不足していると指摘していた。IAEAは同施設

1977年から査察している。
 IAEAでは核拡散防止の面からも、日本など再処理施設を持つ各国と計測機器の改良
や評
価方法の見直しを進めている。
 日本の文部科学省は二十八日、同施設が稼動を始めた七七年から昨年九月までに抽
出し
たプルトニウムが計二百六キロ不足していたと発表。不足は廃液などへの混入などが
原因
で不正な持ち出しや転用はないと説明していた。