Subject: EEE会議("Atoms for Peace After 50 Years": LLNL Workshop)
Date: Sat, 5 Apr 2003 13:33:22 +0900
From: "kkaneko" <kkaneko@eagle.ocn.ne.jp>

各位殿

たびたびお伝えしておりますように、本年は、アイゼンハワー大統領の歴史的な「平
和のための原子力」”Atoms for Peace”演説(1953年12月8日)から50年
周年で、それを記念して米国カリフォルニア州のローレンス・リバーモア国立研究所
(LLNL)で4月8−10日、国際専門家会議"Atoms for Peace After 50 Years: New
Challenges and Opportunities"が開催されます。この会議には、全米はもとより主
要各国からも専門家や研究者が多数出席し、50年(1953-2003年)に及ぶ原子力の
軍事利用と平和利用の歩みを回顧し、現状を評価し、さらに今後を展望するため、安
全保障(核戦略、核抑止、核軍縮、核拡散、核査察等々)と原子力発電(核燃料サイ
クル、プルトニウム、安全性、廃棄物処理、次世代炉型、パブリック・アクセプタン
ス、NGO活動等々)の両面についてかなり突っ込んだ議論をすることになっておりま
す。

この会議の詳細についてご関心のある方は、主催者であるCenter for Global
Security Research (CGSR)のホームページ(http://cgsr.llnl.gov/atoms.htm) をご
覧下さい。会議の各パネルの問題点リスト(その1、2)は一昨日皆様に送信済み。

また、この機会に、アイゼンハワー大統領の演説 の全文もじっくり再読されること
を是非お奨めいたします。サイトは次の通り。
http://www.iaea.or.at/worldatom/About/atoms.html

この演説は、1945年からの数年間、米国が核兵器開発を進めつつ、他方で核エネ
ルギーを軍事利用から平和利用に転換するという未曾有の大課題、あるいは大ディレ
ンマにいかに先見性と勇気をもって立ち向かったか、を非常によく表現しおり、今読
み返してみると、沈滞気味の日本の原子力の将来を考える上でも、改めて有益な示唆
と勇気を与えてくれているような気がいたします。

なお、小生は、この会議に出席した後、ワシントンとニューヨークを回り、イラク、
北朝鮮核問題や日本の核燃料サイクル問題、アジア原子力協力問題等々について米国
関係方面と非公式協議などを行うことにしております。 このため4月7〜19日、
当EEE会議は一時休憩しますので、あらかじめご了承ください。

金子熊夫