EEE会議(北朝鮮問題の包括的解決:国連の見解)
2003/6/24

各位殿

北朝鮮問題に関して、国連事務総長の特別顧問のMaurice Strong氏が、6月17日
に、ワシントンにあるカーネギー国際平和財団で「岐路に立つ北朝鮮:包括的解決へ
の展望」と題する講演を行った由です。その講演録が手に入りましたので、ご参考ま
でに早速そのサイト(下記)をご紹介します。

ちなみに、Strong氏は、カナダ出身で、カナダ開発庁長官等を務めたあと、1972
年の国連人間環境会議(ストックホルム)の事務局長に就任、翌年から新設の国連環
境計画(UNEP)の初代事務局長を務め、さらに1992年の地球サミット(リオデ
ジャネイロ)の事務局長としても大活躍した人物です。実は1970年代初め、外務
省の初代環境担当官であった小生は、UNEP事務局長時代の同氏に請われて国連に出向
し、特別補佐官として約4年間、地球環境問題に関する国際協力体制造りというパイ
オニア的作業に参画した経験を持っております。その後Strong氏は、彼一流の政治力
で国連事務総長特別顧問(政治担当)に昇進、現在では北朝鮮問題についてもかなり
発言力を持つに至ったようです。

昨今ブッシュ政権の「国連軽視」によりすっかり影が薄くなった国連としては、北朝
鮮問題ではなんとかして存在感を回復したいところで、今回のStrong講演にもそのよ
うな狙いがあるものと思われますが、とくに「北朝鮮問題の包括的解決策」と称して
国連の立場をはじめて明確にした点は注目に値すると思います。あいにく小生は目下
旅行中で時間的余裕がありませんので、代わってどなたか、この講演の全容を紹介、
分析してくだされば幸いです。

"North Korea at the Crossroads - Prospects for a Comprehensive
Settlement,"  by Maurice F. Strong, Special Advisor to the
Secretary-General of the United Nations, June 17, 2003: (pdf, 10p)
:http//www.ceip.org/files/pdf/Carnegie-NorthKorea-Strong-Speech.pdf

金子熊夫拝