EEE会議(最近の原子力関係ニューズ)...................................................................2003.7.31
 
最近の原子力関係(国内)のニューズをいくつかまとめて。これらの情報は林 勉氏(エネルギー問題に発言する会)のご提供によるものです。
--KK
***********************************************
<国のエネルギー基本計画案、8月中に「福島県の提言」 保安院独立など盛り込み>

 佐藤栄佐久知事は29日の定例会見で、資源エネルギー庁が策定を進めている「エネルギー基本計画案」に対する県の提言を8月中にまとめる意向を明らかにした。核燃料サイクルの見直しや原子力安全・保安院の経済産業省からの独立などが中心になるとみられている。エネ庁が8月28日まで計画案に対する意見公募を行っているが、県はこの意見公募とは別に独自に発表する方向で検討している。
 また、佐藤知事が今月開かれた全国知事会議で、基本計画案について「地方に責務を負わせるのに、地方自治体の意見を聴かずに策定を進めている」と問題提起していたことも明らかにした。知事会として具体的な対応を検討しているという。【上田泰嗣】(毎日新聞:2003.7.30)
--------------------------------------------------------------
 
<事故・トラブルの報告基準を定量化へ ― 総合エネ調保安部会、見直し案を了承>

総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)原子力安全・保安部会「検査の在り方に関する検討会」(班目春樹座長)は30日の第10回会合で、事故やトラブルの報告基準を明確に定め、事業者が国に報告する対象を定量化する見直し案を了承した。原子力施設のトラブルはこれまで実用炉規則と通達に基づき国が報告を求めていたが、判断基準の法的位置付けを明確にし、事業者が的確に報告の是非を判断できるようにする。
(電気新聞:2003.7.31)
--------------------------------------------------------------
 
<東電のCO2排出量23%増 原発停止が原因と説明>

 東京電力は30日、2002年度の二酸化炭素(CO2)排出量が前年度比23%増加し、発電電力量が増加した影響を差し引いても、約10年前の水準に逆戻りしたとする環境報告書を公表した。硫黄酸化物(SOX)や窒素酸化物(NOX)の排出量も大幅に増加した。
 同社の原子力発電所は、昨夏のトラブル隠し発覚を受け、再点検などのため相次ぎ停止。東電は環境負荷が増大したのは「電力不足分を補うため、老朽化したり効率が悪いため長期停止中だった火力発電所を再稼働した結果」と説明している。
 報告書によると、02年度のCO2排出量は1億740万トンで、前年度より2000万トン増加。販売電力量1キロワット時当たりのCO2量で比較すると1990年代前半のレベルだった。SOXは発電電力量1キロワット時当たり前年度比約2倍、NOXも同約1.5倍に膨らんだ。
   --------------------------------------------------------------
<震災時の浜岡原発:石橋・神戸大学教授が講演で中電見解に再反論>

 神戸大学の石橋克彦教授(地震学)が16日、掛川市内で、東海地震が発生した場合の浜岡原発の危険性について講演した。同教授は「地震学的に見てもどんな揺れに襲われるか分からない。最悪の場合は、放射能が放出される危険がある」と述べ、「絶対安全」と繰り返す中部電力の見解を批判した。
 同教授は今月7日、国際測地学・地球物理学連合の総会(札幌市)で原発震災の危険を指摘。中電は反論をホームページに掲載し、石橋教授がこれに再反論した。
 中電側が「東海地震を上回るマグニチュード8・5の地震でも安全」としたのに対し、石橋教授は「詳細な揺れ方までは地震学的に分からず、完全にクリアしていない」と指摘。「浜岡原発は相良層という岩盤上にある」という点には「相良層は柔らかく、揺れが半減するなどの過大な期待はできない」などと、中電の反論を一刀両断にした。講演は同市の地震防災リーダー人材育成研修会として開かれ、約700人が深刻な表情で聴き入った。【中村牧生】(毎日新聞)