EEE会議(Re:トリウムサイクルにおける転換比について)........................................2003.8.12
 
標記テーマについては昨日(8/11)牧 英夫氏のメールをお送りしましたが、古川和男氏からも次のようなメールをいただきました。ご参考まで。--KK
 
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 8月7日付けのメールで牧 英夫氏(豊田正敏氏?--KK)より、トリウムサイクルにおける転換比につい
ての紹介がありました。その後何方も補足なさらないので付言いたします。

 牧氏の意見に大体賛成です。この様な論議は具体的に設計条件を規定いたしませ
んと、何も申せませんが、そして小生はトリウム固体燃料ではガンマ線強く経済的
再処理困難なため興味薄く深追いしていませんが、記憶に残るものとしまして、あ
の米国FBR開発を最も強力に推進した Milton Show が公式の報告
書(ERDA時代と思います)で、確か軽水炉条件でUO2をThO2に替える
と、転換比が10%あがると他の炉特性まで表にして対比紹介していました。これ
が大体の目安だと紹介したことがあります。   異論があれば、本気で文献探し
ますが。
 どうぞ、もっとトリウムについて、皆さんご発言願います。

 兎に角、余りにトリウムが知られていないのは、今後の戦略を確定するのに国家
としても重大な欠陥と思います。
 1992年でしたか、前のBush大統領の科学技術補佐官Dr.Allan 
Bromley(小柴さんの親友です)に会い、Th−MSRのみでなく加速器熔
融塩増殖炉AMSBにも明快な激励をえましたが(彼は若い時に、牧さんも触れて
いたAECL Chalk Riverの加速器増殖計画ING Projectに参加しています)その
時に、何がして欲しいかと言ってくれたので、「今の原子力関係者はトリウムその
ものさえ全く知らないので、MSRを言う前に、トリウムを皆に思い起こさせる援
助が欲しい」と申しましたら、「全く同感だ」と時間を超過して助言してくれまし
た。
  原子力教科書から、トリウム論議が抹消されてから30年にはなるでしょう。
私は、核冷戦重視の隠れた証拠だと確信しています。
                                               古川 和男
トリウム熔融塩国際研究所
255-0003 神奈川県中郡大磯町大磯1029−5
Tel/Fax:0463−61−3088
E-mail: QYT00127@nifty.ne.jp

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PS:
小生には必ずしも的確な判断は出来ませんが、一般論として、高度に技術的で少数の専門家以外には理解し難い事項については、できる限り関係者同士で直接交信していただいた方がよいのではないかと思います。EEE会議の会員には、原子力について一般的な知識しかお持ちでない方もかなり含まれておりますので。各自で良識をもってご判断くだされば幸いです。--KK