EEE会議(余談:「げんしゅくな気持ち」)......................................................................2003.8.17
 
今年もお盆と敗戦記念日が一緒にやって来て、いろいろなことを考えさせられました。自衛隊の海外派遣とか、北朝鮮問題とか、日本核武装論とか、憲法改正とか、マスコミの論壇では盛んに議論が盛り上がっております。しかし、そうした中で、どうも気になるのは、日本の若者たちの政治や社会問題への無関心ぶりです。彼らは日本の将来を本当に真面目に考えているのだろうか・・・と、まあ、小生も一応年齢相応に老婆心というか、取り越し苦労をしているわけですが、たまたま今朝舞い込んできたあるメルマガに、次のような文章が出ているのを見てちょっと驚きました。--KK
 

            「げんしゅくな気持ち」
                             ナタリア・恵美・浅村(17才)

         2002年12月に、私は第13回使節団として、日本に行
        きました。あそこで、沖縄や広島でおこったせんそうの事
        を見ました。原爆資料館や江田島や靖国神社で、いろんな
        お話を聞きました。
       
         そしてせんそうの意味が深く分かりました。戦争がなか
        ったら、人々はしななくてよかったのに。戦争というもの
        はすごく苦しいものです。

         けれど、私がもっとおどろいた事は、戦争にいった人達
        のすばらしい気持ちだった。あなた方は自分の国日本をま
        もるために、そして自分の家族の命をまもるために、自分
        の命をかけました。あなた達は敵にふくしゅうをする気持
        ちより、自分の国の誇りをまもるための「死ぬこと」をえ
        らびましたね。私はそれは本当にげんしゅくな気持ちであ
        ると思います。
       
         私は江田島でこんなメッセージを見ました。「正道一
        心」という書でした。だれかが弟のために自分の血で書い
        たものでした。女の子は自分のかみの毛で、「日本」と書
        きました。それは私の心にふかい感動をおこさせました。
       
         皆様、戦争で日本はまけた。でも、あなた方の命はむだ
        にはならなかった。だって、今、私達も、日本の人も幸せ
        一杯でしょう。だから、あなた方はなくなったけれど、そ
        の気持ちは、いろんな人達に大切なことを教えました。
       
         あなた方のために、今、私は一生けんめい祈ります。そ
        して、あなたの生命をもらって今生きているよ。
         本当にありがとうございました。日本の人、靖国神社を
        大切にしてください。おねがいします。
         なくなった人達に誇りをもって下さい。おねがいします。
       

この文章の筆者、ナタリアさんはブラジル・サンパウロ市に住む日系人の子供で、彼女が通学する学校からは過去30年来、2年に1度、20〜30名の生徒たちが日本を訪れ、約40日をかけて沖縄から北海道まで廻っているのだそうです。送り出す親にとっては、地球を半周する飛行機代と40日もの宿泊費は相当な負担ですが、「自分のルーツに誇りを持ってほしい」「美しい日本を見てきてほしい」という日系人父兄の切なる願いが30年にもわたる訪日青少年使節団の派遣を支えてきたとのことです。
    
その行程の中で子供たちが特に深い印象を持つのは、靖国神社の遊就館や、海軍兵学校のあった広島湾・江田島の教育参考館(東郷元帥記念館)で見る特攻隊員の遺書・遺品だそうで、ナタリアさんの文章も、そこで心を揺すぶられた経験を、一生懸命学んだ日本語で自ら綴ったものでしょう。ついでに生徒たちの文章をもう1つ、引用しておきます。
    
 
         この旅行で私が心に一番感じたのは、広島に行った時の
        ことです。戦争は何て悲しいことでしょう。神風特攻隊で
        行った若者のことが、頭から離れません。彼たちの笑って
        いる顔を写真で見て、どうして笑えるのか分かりませんで
        した。でも、今は分かるような気がします。
         日本のため、家族のため、愛する人のためだったことが
        わかりました。
       
         彼たちが書いていた手紙を読んでいると、お父さんやお
        母さんの名前が何回も書かれている手紙を見つけました。
        そこには、彼たちの苦しみを少し感じることができました。
         涙がポロポロ出ました。日本を守るために頑張りました
        ね。
         今の日本の若者は、その頑張り屋の力をちょっと忘れて
        しまったのでしょうか。

            第14回訪日使節団女子代表
             ステッファニ・万里子・斎藤(15歳)