EEE会議(エネルギー資源の長期的動向をどう見るか?)...............................................2003.8.19
 
会員の下浦一宏氏(関西電力総合技術研究所、エネルギー問題に発言する会)より、次のような興味あるメールをいただきました。ご参考まで。
--KK
 
********************************************

エネルギー資源の動向に興味を持っておりますが専門家ではありません。
実際に資源開発に従事されていた方がいらっしゃるようですので、お伺い
したいと思います。

Scientific American の1998.3号に" The End of Cheap Oil "という論文がのり、
私は非常にショックを受けたのですが、実際の所、どうなのでしょうか?
http://dieoff.org/page140.htm
http://www.hawaii.gov/dbedt/ert/symposium/zagar/zagar.html

当時、1バレル10ドルを切るような状況だった事もあり、余り話題にはなりません
でしたが、最近、イラク戦争など石油を巡る情勢があやしくなってきておりますし、
イラクのパイプライン火災を「対岸の火事」と言っておれない状況だと考えます。

Googleで論文名を検索すると、多数のサイトがヒットするようです。
http://www9.ocn.ne.jp/~aslan/nijj.htm
http://ecosocio.tuins.ac.jp/ishii/future_asia/future_asia.html
http://www.enecho.meti.go.jp/oil/index.htm

確認埋蔵量を年間消費量で割る計算では、油田の発見が続く限り寿命は伸びる
のですが、1990年以降は巨大油田の発見もないようですし、著者が石油探査の
専門家である事など考慮するとかなり信頼できるのではないかと思います。

まあ、石油等が枯渇しても、石炭、ウランはまだ多量にあるようですし、問題ないと
は思いますが、エネルギーシステムの転換に関して、相当の技術開発を行わないと、
従来の石油ショック以上の社会的混乱がおきるのではないでしょうか?

人類が危機に直面しているのであれば、それを回避するための研究を行う事は、
「科学者の社会的責任」というものだと思いますし、国民が真に危機感を共有すれば、
過去のしがらみに捕らわれない、しっかりした研究体制もできるものと思います。