EEE会議(東海大地震と浜岡原発の安全性)................................................................2003.8.20

 
中部電力の浜岡原子力発電所については、最近、東海大地震問題の第一人者といわれる人々(茂木清夫・前地震予知連絡会長・元東大地震研究所長、石橋克彦・神戸大学教授など)から「直下でマグニチュード8の地震がおきる浜岡原発は、極めて危険な状況だ」という厳しい指摘がなされております。当EEE会議でもこの問題を取り上げ、中部電力側の説明などもご紹介しましたところ(7月10日)、中部電力は本日、同社のホームページ(http://www.chuden.co.jp/index.html) で、地震時における津波と浜岡原発の関係について詳しい解説を載せました。その一部をご紹介します。ご参考まで。
--KK
 
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(1) はじめに
 原子力発電所の安全性を確保する上で重要な機能は,@ 原子炉を「止める」,A 原子炉を「冷やす」,B 放射能を「閉じこめる」ことで,これらの機能を果たす機器,建物などが,津波に影響を受けることなく,正常に機能することが要求されます。具体的には,原子炉建屋等が浸水しないこと,および「冷やす」機能に関連する設備(余熱除去系など)に冷却水を供給する原子炉機器冷却系が海水を取水できることが必要となります。

(2) 考慮する津波
原子力発電所において検討対象とする津波は,過去に敷地周辺に影響を及ぼしたと考えられる津波および海域活断層から想定される津波です。過去の津波については,日本およびその周辺の海域で発生した津波だけでなく,1960年のチリ地震津波のように遠く離れた地域から伝わってくる津波についても考慮しています。
浜岡原子力発電所においては,これらの津波について文献等に基づき検討した結果,1854年の安政東海地震による津波が敷地に最も大きな影響を及ぼしたと考えられます。

(3) 津波による水位変動
 発電所の敷地に最も大きな影響を及ぼしたと考えられる1854年安政東海地震による津波について,水位評価を実施するために,痕跡高(こんせきだか)等の文献調査に加えて,数値シミュレーション(解析)を行い,水位低下や陸上への遡上(そじょう=さかのぼること)などの津波の挙動を詳細に評価しています。
津波による水位上昇
数値シミュレーションの結果,敷地における最高水位は満潮位(朔望(さくぼう)平均満潮位)を考慮してT.P.注)+5.8m程度であり,また,痕跡高等の文献調査の結果,敷地付近では満潮位においても最大T.P.+6.0m程度と推定されていることから,敷地における最高水位はT.P.+6.0m程度と想定されます。
注)T.P.: 東京湾平均海面

以下省略