EEE会議(Re: 電気料金の国際比較)..................................................................2003.8.24


標記件名の天野治氏のメール(8/24)に対し、豊田正敏氏から次のようなメールをいた
だきました。ご参考まで。
イタリアとの比較に限らず、日本の電気料金問題について、電力自由化の観点も踏ま
えて、いろいろなご意見や問題提起を歓迎します。--KK

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 題記に対する天野治氏のコメントは、ピントはずれであると思われますので、私の
考えを以下に述べます
が、私は、イタリヤの最近の実情は知らないので、具体的な比較の検討は、EEE会議
の会員以外の方でもご存
知の方に、お願いされて説明して貰ってはどうでしょうか。
@ 電源構成
イタリヤのように立地条件の良い水力発電所や地熱発電の多い国では、電気料金は安
くなるはずである。
A 為替レート
 我が国の実質購買レートは、180円/ドル程度である。
B 人件費、機器や土木、建設費が割高
人件費が割高なことは周知の事実である。そのため、発電機器や土木、建築費が割高
となっている。土木、建
築費は、耐震設計のために割高となっている他、公共事業費が国際価格に比して極め
て高いことに引きずられ
ている面もある。また、原子炉機器については、安全基準が不必要に厳しいことにも
原因がある。
C 供給信頼度
 我が国の停電の頻度は世界一低く、電気料金を上げてまで、これほどまでに供給信
頼度を上げることを一般
の需要家が望んでいるのか疑問である。しかし、一方で、エレクトロニクス産業や病
院など、一刻の停電も許
されないものもあるので、これらについては、供給信頼度を高める代わりに電気料金
も割高に設定するか、予
備電源を設置してもらうかについて検討すべきかも知れない。
なお、原子力発電及び核燃料サイクル施設のコストダウンについては、私の「原子力
開発の進め方に関する提
言」3.経済性を参考にされたい。以上

豊田正敏
toyota@pine.zero.ad.jp