EEE会議(Re: エネルギー基本計画案に対する意見)....................................................2003.8.27



永崎隆雄氏(特別会員)が提出されたコメントも、ご紹介します。 --KK

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   件名:「エネルギー基本計画案に対する意見」

1. 氏名(フリガナ)永崎 隆雄(ナガサキ タカオ)

3.職業/所属
           日本原子力産業会議 アジア協力センター

4.意見の概要(100字以内で記載)

 本エネルギー計画を高く評価する。今後、更に以下を立案さられたい。

(1)国内原子力産業の維持・発展計画

(2)原子力産業競争力の育成と輸出戦略

(3)原子力発電の立地地域との共生誘導制度

(4)税制等による自由化の下での核燃料サイクル誘導 


5.意見及び理由(本文)

(1)我国エネルギー安定確保には基幹エネルギーの原子力を支える国内原子力
産業の維持育成が不可欠である。
   過度の原子力発電所建設集中と過度の建設需要低迷が起こるならば、原子
力産業が消滅し、原子力の安全維持に問題が生ずる。
   そのため、政府は原子力産業の維持、育成の観点から適切な原子力発電導
入誘導政策と産業維持育成政策を取るべきである。

(2)アジア発展途上国のエネルギー消費急増が我国のエネルギー確保に影響を
与えるつつある。
   世界のエネルギーの安定供給と環境対策に我国が積極的に貢献する必要が
出てきている。
   我国原子力の輸出によるエネルギー供給はこれに最も貢献できる。

(3)原子力の立地地域との共生政策は電源立地交付金制度等でなされて来てい
るが、この制度の矛盾は

  @原子力発電が動いても止まっても立地地域の利益にほとんど無関係
  A運転を同意する県等に無配布であるため、県が不同意を楯に政治家に過度
の公共投資を要求
  Bほとんどが後年の維持費負担が重くのしかかる公共福祉設備投資で、個人
地場産業育成に不成功

  等があり、立地地域と発電事業者との利害が一致せず、うまく機能していな
い。

  これを解消するため、立地地域と発電者の利害が一致するような以下例のよ
うな誘導制度を立案する必要がある。

  例)1)発電量に比例する地方税制
    2)立地地域の法人税減税等による発電所の地場産業化誘導
    3)電源開発税の一部地方税化と原子力産業振興予算の地方化
    等

(4)電力自由化は米国の原子力復活等の実例があり、電力産業の競争力強化の
ために、大いに進めなければならない。
   しかし、自由化を重視するあまり、環境破壊やエネルギー危機を進めてし
まってはならず、又、国策を誘導する過度の規制政策も避けるべきで、自   
由化の本分に則った以下の例ような誘導政策で行うべきである。
  
   誘導政策
    1)核燃料サイクルの優遇減税
     プルサーマル炉や高速炉や再処理の研究開発減税、優良環境エネルギ
ー減税
    2)高レベル廃棄物ガラス固化体の低料金国家引取り、使用済み燃料の高
料金国家引取り   
    3)使用済燃料貯蔵税
    4)炭酸ガス放出税

       以上