EEE会議(Re:エネルギー基本計画案に対する意見:奥出克洋氏)...........................2003.8.27


「エネルギー基本計画案」に対し、奥出 克洋氏(EEE会議特別会員)が本日提出
されたコメントをご披露します。--KK

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                      2003年8月27日

件名:「エネルギー基本計画案に対する意見」

1. 氏名: 奥出 克洋 (オクデ カツヒロ)
2. 連絡先:
住所;  〒 179−0082 東京都練馬区錦 1−24−19
電話番号;  03−3933−5222
ファックス; 03−3933−6922
E-メール;  BYB01431@nifty.com
3.職業:   コンサルタント

4. 意見の概要
10年経過した時点で、この「エネルギー基本計画」を見直した時に、これ以上 原
子力
に対する国民の不信を買うこと事の無いよう、(1)現時点で考えられる最悪の条件
に対処
する政策、並びに、(2)国の、将来にわたる、説明の透明性確保の 具体的な手段

明確にして頂きたい。

5. 意見及び理由
(1)  最悪の事態への対処
いうまでも無く放射性廃棄物の最終処分は、原子力利用のアキレス腱である。現在、
官民
をあげて、最終処分地の選定、並びに処分方法の開発に努力が払われている事は認め
るが,
10年経過した時点で、現在の努力の延長線上で、解決法が見出せる可能性は、残念
ながら 非常に低いと言わざるを得ない。その時になって、全く代案が無いと言う事

なると、原子力利用の致命傷になり兼ねない。
これに対する一つ逃げ道として、“国として「長半減期放射性核種の変換処理」の研究
開発
に核燃料サイクル開発機構、並びに日本原子力研究所の 施設と研究員を使って着手
し、
放射性廃棄物の減量に長期的に取り組む積りである。“、と明記してあれば、その時

で、これ以上国民を欺く事にはならないものと考える。
原子力以外のエネルギー源については、相当具体的な記述もあるので、この程度の変
更は
バランス上からも、許容されるものと考える。
省庁間の政策調整の上、是非国民の期待を裏切ることの無いものとして頂きたい。

(2)将来にわたる説明の透明性の確保
「平成14年に明らかとなった原子力発電所における一連の不正問題」が発生した時
に、
原子力先進国の有識者から、“各原子力発電所には、知識と経験を持ち、且つ権限を
与えられた監督官庁の駐在検査官が居る筈なのに、駐在検査官に気付かれずに発電書
側が
あれだけの事が出来る物なのだろうか ?“との質問が呈され、それが印刷物にも
なっている。
米国の如く、規制側のNRCは、議会に属し、促進側のDOEは、大統領の管轄下に
あって、問題に対する議論が 最後まで、相互牽制、独立独歩で、透明性が維持確保
される体制下では、とても放置される事が許されない問題だと思うが、日本において
は、今後も、促進側と規制側が一体となって扱はれている、 特定省庁の案件として
位置付けられるのであれば、原子力利用への国民の信頼感の回復は、望み薄と言はざ
るを
得ないのではなかろうかと考える。
是非、国民の期待に沿った、独立した主体間の、相互牽制が効き、透明性が自然に
確保されるような枠組みを、原子力利用のために確立願いたい。