EEE会議(Re: 余談:自衛隊のイラク派遣:英紙の反応)...........................................2003.8.29


今朝、「余談:自衛隊のイラク派遣:英紙の反応」というメールを差し上げましたと
ころ、これに対して複数の方々からコメントをいただきました。 その中から、会員
の村田良平氏(元駐米、駐独大使、外務事務次官)のメールをご紹介します。ご参考
まで。 --KK

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   小生は、その内湾岸戦争時と類似の状況となり、小泉氏の化けの皮が外れるこ
とを深刻に危惧しています。 米国は、去る19日の国連現地本部の爆破テロの衝撃
があり、今同盟国とのいざこざが表面化するのはまずいこと、日本の11月と予想さ
れる総選挙への影響を考慮すべきことから、公式にはだまっていますが、(非公式な
申し入れは多分あるでしょう)その内我慢出来なくなるでしょう。 議会に先に火が
つくかもしれません。

   本日締切のイラク戦争についての共著の原稿(小生の受け持ちは「イラク戦争
に対する日本の対応」です)で、下記のように述べておきました。

                         記

   目下、調査団の派遣すら定まっていない。 さらに、内政的考慮も加わって、
自衛隊派遣の延期を求める声が、政府部内で上がっている。万一派遣が見送られるこ
ととなれば、対米関係に大きいひびが入ることは必至であり、日本への国際的信用も
ガタ落ちとなる。人数はとも角、至急象徴的な人員を派遣すべきであろう。
   (中略)
   もとより私は、自衛隊員の犠牲が一人もでないよう、最大限の配慮を払うべき
だと考えている。 私が問題にしたいのは、この目的のために、政府が憲法の自己勝
手な解釈に基ずき、非現実的な法的枠組みをつくったことである。 同盟国たる米国
に対しても、不誠実な立法を行なったと評しえよう。
        
                                           村田 良平

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追伸:
本は10月上旬頃勉誠出版という出版社から刊行の予定です。 仮のタイトルは「イ
ラク戦争の衝撃」だそうですが、出版社が決めます。 木村汎氏、袴田茂樹氏、佐瀬
昌盛氏など、米、欧、露、中国などを専門にしている学者の共著で、大学教授でない
筆者は私だけです。
                            村田 良平