ＥＥＥ会議（Re: 北朝鮮核問題と日本核武装論）.......................................................2003.9.2
標記のテーマについて、特別会員の益田 恭尚氏から次のようなメールをいただきま
した。ご参考まで。
ちなみに、このテーマについては他にも多くの方々から時々メールをいただきます
が、中には、これまで当ＥＥＥ会議で繰り返し議論されたのと同じ内容のものが少な
くありません。なるべく知的労力を節約しつつ、建設的な議論を行うために、できる
だけご発言の前に、これまでの関連バックナンバーをチェックしてみてください。今
年1月初めからでもかなり沢山の関連メールがあり、それらはすべてホームページ
(http://www.eeecom.jp/)
に掲載されています。バックナンバーをご覧になるには、
ユーザー名：backnumber,
パスワード：rose を入力してください。
--KK
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日本核武装論に対する私の考えは5/31のEEE宛てのmailでも書かせていただいたよう
に「絶対に持つべきではなく、それを憲法改正を視野に国際的に宣言すべきだ」とい
うものであります。
しかし、政治家の発言だけでなく、「VOTEジャパン」に核アレルギーを持っている筈
の国民の半数以上が核武装に賛成だという方に投票したのは誠に驚きでありました
（国民の総意を表す物ではないとは思いますが）。 （この点についてはＰＳをご参
照下さい--KK)
時々議論をしている若手技術者（常々中々良い意見を持っている）にこの点聞いてみ
ますと、「私は核武装すべきという方に投票する」とのこと。それから種々議論をし
私の持論も説明しました。
彼の論点は、次の2点でした。特に新しい論点ではありませんが議論を整理される際
少しでも参考になればと思いmailさせて頂きます。
１、日本は主権国家である。世界の先進主権国家で核武装していないのは日本の他僅
かしかない。主権国家である以上、いつまでも米国に頼っていればよいというわけに
は行かない。
２、米国は大統領が変われば何時方針を変更するかも分からない。アジアに興味を失
えばアジアから手を引くと言い出す可能性は否定できない。そのとき一番怖いのは中
国である。日本は靖国神社問題一つ解決できないではないか。このままではアジアは
中国の言いなりになってしまう。
３、核武装をすることの困難さは理解するが、少なくとも核武装できるというフリー
ハンドを持つべきである。
丁度EEEからRajan
Menonさんの論文とそれに反論してJames
Auerさんの「日米同盟が
近い将来終焉を迎えるとは考えられない」という論文を送っていただきました。私も
そう思いますが、米国が日米同盟による負担を少なくしようと考えた時どうするのか
という人に対し、どう答えるかも大切なことでしょう。
益田 恭尚
ＰＳ：
上記「VOTEジャパン」の投票結果とその意味については、8/9付けのメールをご覧く
ださい。ご参考までに、関連部分を再録しておきます。 --KK
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当EEE会議でもたびたび議論されている「日本核武装」の是非について、最近「VOTE
ジャパン」と称する市民グループが行った投票結果が話題になっています。VOTE投票
サイトは次の通りです。
■
日本は核を持ってもいいのか？
http://www.vote.co.jp/category/16417177/
この中で「日本は核を持ってもいいのか？」について、現在９，６００票の投票があ
り、５４％がＹes, ４６％がＮoとなっています。本当にこれが民意なのか心配にな
ります。皆さんはどのようにお考えでしょうか？
ちなみに、この種の世論調査は設問の仕方によって大きく左右されます。この投票の
場合も、日本核武装の是非を論ずることの是非を問うているとも解釈でき、その結
果、「憲法で核武装が明示的に禁止されていないのだから、議論するぐらいはいいだ
ろう」という意見が、「議論することもいけない」という意見を上回っているに過ぎ
ないと思います。また、「日本は核武装できるか」という法律的、技術的な議論と、
「日本は核武装すべきか」という戦略的な議論とを分けることも大事です。VOTEジャ
パンはもっと設問の仕方を工夫すべきでしょう。
実は小生自身も（当ＥＥＥ会議でもしばしば明らかにしておりますように）、日本の
核武装は百害あって一利なしだが、オープンかつ冷静に議論するのは重要だという立
場です。7月24日付けのメール「タブー排して本音の議論を」をご覧いただければ幸
いです。
--KK