EEE会議(日本発エネルギー・原子力最新情報)...................................................2003.9.6

最近の日本のエネルギー・原子力関連のニューズをいくつかご紹介します。主に海外
在住会員の方々のためで、最後の4件を除き、提供者は特別会員の林 勉氏(エネル
ギー問題に発言する会幹事)です。これらニューズの中で特に気になるのは、総合エ
ネ調部会では全国知事会の意向を受けて、早くもエネルギー基本計画を修正という報
道で、今後の動きをよく見ていくことが必要(林氏)と思われます。ご参考まで。 
この種の重要ニューズをお持ちの方は随時提供してくだされば幸いです。
--KK

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■ 原子力安全基盤機構、初代理事長に成合氏

 平沼赳夫経済産業相は2日の閣議後会見で、10月に設立される独立行政法人・原
子力安全基盤機構の初代理事長に、成合英樹・筑波大名誉教授(64)をあてると発
表した。
 東京電力の一連の不祥事のような原子力発電所をめぐるトラブル隠しの再発防止策
として、電力会社の自主検査が定期事業者検査として法定化されるが、同機構は、そ
の検査に加え、原子力安全・保安院が実施してきた定期検査や使用前検査の一部も移
管されて受け持つ。原子力の安全向上をめざし、トラブル事例の収集や分析なども行
う。職員は約420人。 (読売新聞 030903)
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■ エネルギー基本計画案、立地地域の意見反映し修正へ  ― 総合エネ調部会

 総合資源エネルギー調査会・基本計画部会(部会長=茅陽一・地球環境産業技術研
究機構副理事長兼研究所長)は1日、第6回会合を開いた。エネルギー基本計画案に
ついて、地方の意見を取り入れるため全国知事会エネルギー対策特別委員会委員長の
橋本昌・茨城県知事を新たに委員とし、参加を認めた。全国知事会は先月7日、「安
全確保について何らの規定もない」など地方の意見が反映されていないとし、地方自
治体の代表を委員に加えるよう要望していた。このため同部会では、あらためて地方
自治体、広聴会の意見を踏まえ「原案を修正する」(茅部会長)ことにした。今後、
2回の会合を経て最終案は10月以降にまとまる見通しとなった。 (産経新聞 
030902)
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■ 原発配管ひび割れ測定、「改良型の超音波検査が有効」

 原子力安全・保安院は1日、原子力発電所の再循環系配管で見つかったひび割れを
調べる測定法として、「改良型の超音波検査が有効」との評価をまとめ、総合資源エ
ネルギー調査会(経産相の諮問機関)小委員会に報告した。
 原子炉の機器にひび割れが見つかっても、安全上問題がなければ補修しなくてもよ
いとする「健全性評価基準(維持基準)」が10月にスタートするが、再循環系配管
の場合、通常の超音波検査ではひび割れの深さを精度良く測れないため、維持基準の
対象から除かれていた。今回の評価を受け、保安院は将来、維持基準の対象に、同配
管を含める方針だ。(読売新聞 030901)
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■ <原子力安全白書>点検、電力会社任せ 国の安全規制に問題

 東京電力の原発トラブル隠し発覚からまる1年の29日、国の原子力安全委員会は
02年版原子力安全白書をまとめ、閣議に報告した。トラブル隠しは「社会に不信を
抱かせ、原子力利用の歴史上極めて遺憾な事態」を招いたと指摘する一方で、原発の
点検を電力会社任せにするなど国の安全規制に問題があったことも認めた。(毎日新
聞 030829)
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■ 住民投票条例制定を請求=中間貯蔵施設の建設めぐり−青森

 使用済み核燃料中間貯蔵施設の誘致を表明している青森県むつ市に対し、誘致に反
対する住民団体「むつ市住民投票を実現する会」は27日、住民投票条例の制定を杉
山粛市長に直接請求した。請求に当たり、同会は5514人分の署名簿を提出した。
(時事通信 030827)
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■ 核燃サイクルに「待った」 福島県 、国に政策提言

 エネルギー政策の見直しを独自に進めている福島県は26日、エネルギー政策検討
会(会長・佐藤栄佐久知事)を開き、国の「エネルギー基本計画案」が推進する核燃
料サイクルについて「国民的議論が必要」などとする県の意見をまとめた。意見書に
して28日までに国に提出する。
 県は、費用が10兆円以上とされる核燃料サイクルについて「適切な政策評価がさ
れていない」と指摘。「推進を前提とせず、核燃料サイクルが必要不可欠かどうか情
報公開を進めながら今後の在り方を国民に問うべきだ」としている。
 また、「多くの立地地域が、住民の安全、安心確保の観点から、原子力の安全規制
を行う機関の独立を求めている」として、エネルギーの安定供給に責任を持つ経済産
業省内に原子力安全・保安院がある現体制の見直しを主張。 (共同通信 030826)
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■ 原子力2法人統合 国際的中核拠点目指す 準備会議報告書案

原子力2法人(核燃料サイクル開発機構と日本原子力研究所)の統合準備会議(議長
=渡海文部科学副大臣)は、3日、統合に関する最終報告書案を公表した。詳細はE
EE会議でお知らせ済み。
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■ 「港湾風力研」が発足 導入支援へ産学官が連携

 国土交通省による洋上風力発電の導入を支援するため、同省の外郭団体である沿岸
開発技術研究センターは、4日、産学官連携組織「港湾・沿岸域における風力発電推
進研究会」を設立した。国交省、経済産業省、電気事業連合会、地方自治体のほか民
間企業41社で構成。風力発電の情報を共有し、環境対策や施工技術などの確立を目
指す。 (電気新聞 030905)
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■ ASEAN  エネルギー分野の協力確認 経済閣僚会議が閉幕

 カンボジアで開かれた日本とASEAN各国の経済閣僚会議は、エネルギー分野に
ついては、ASEAN諸国を対象に発電所や送電網、石油・天然ガスパイプラインの
整備を引き続き進めることを確認。 日本からの円借款や国際協力銀行の融資を利用
する。 (電気新聞 030905)
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■気候変動枠組み 「2013年以降」の検討開始 政府 産構審小委員会近く再開

 京都議定書の第1約束期間(2008-12年)以降の温暖化対策について、政府は今秋か
ら気候変動の新たな枠組み構築に向けた検討に乗り出す。国際的な合意では05年まで
に 13年以降の枠組みを議論することが確認されているが、先進国に限り温室効果ガ
スの総排出量を規制する今の枠組みは途上国を含めた世界全体の温暖化防止に実効性
が乏しい。そのため政府は「05年を待たず、なるべく早く議論したい」として、秋口
に産業構造審議会(経済産業大臣の諮問機関)の地球環境小委員会を再開させる方
針。 (電気新聞 030905)

以上