EEE会議(大陸棚調査は国家百年の計)......................................................................2003.9.15


私たちは昔から、「日本は国土が狭く天然資源小国」だと思い込んでいますが、よく
考えてみると決してそうでもなさそうです。国際法上の排他的経済水域(EEZ=距岸2
00海里の海域)やその先まで伸びた「大陸棚」(continental shelf)まで含めると、
日本は結構な広さになり、そこには天然ガスなどのエネルギー資源もかなり賦存して
いるらしいのです。もし本当にそうだとすれば、例えば海水からウランを採取するな
どという気の長いプロジェクトに金や時間をかけるより、日本周辺の海底の天然ガス
の探査開発を狙った方が得策ということにもなりかねません。
まあ、あまり期待しない方がよいのかも知れませんが、視野狭窄症に陥った我が日本
民族にとって、発想の転換の訓練には十分なるでしょう。 最新の「小泉内閣メール
マガジン」 第109号 (2003/09/11)に載っていた扇国土交通大臣の「ほんねとー
く」をご紹介します。ご参考まで。
--KK
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● 資源大国日本も夢ではない〜大陸棚調査は国家百年の計〜
  (国土交通大臣 扇千景)
   
 日本の国土面積は38万平方キロで世界61位。エネルギーや鉱物資源も、
ほとんど輸入に頼っています。

 ところが、日本周辺の海域には、日本と地続きとみられる国土の1.7倍
の面積の大陸棚があり、数十兆円の鉱物資源が埋蔵されています。

 例えば、乾電池や自動車のスプリング等に使われるマンガンは、年間消費
量200万トン全てを輸入に頼っていますが、大陸棚には320年分が埋蔵
されています。工作機械やスピーカ等に使われるコバルトも、全量が輸入で
すが、大陸棚の埋蔵量は1300年分です。ほかにも、100年分のニッケ
ル、100年分の天然ガスなど、枚挙に暇がありません。

 海洋法条約では、2009年5月までに、大陸棚が自国の領土と地続きで
あることを証明できれば、その国の権利が認められることになっています。
そのためには、これからの5年間で、国土の10倍以上の広大な海域の海底
をくまなく調査して膨大な量のデータを集め、詳細に分析して、日本と地続
きであることを科学的に証明しなければなりません。しかも、この権利は全
ての国に認められていますので、各国とも競って大陸棚調査を実施しており、
時間との競争です。

 我が国が今後安定的に発展していくための基盤を、今、しっかり固めてお
くことは、将来の世代に対する私たちの責任です。今こそ、「大陸棚調査」に
政府をあげて取り組まなくてはなりません。このため、私は、今年7月の閣
議の際、「大陸棚調査は国家プロジェクトとして政府を挙げて取り組む必要
がある」と強く要請しました。その結果、政府が一体となって調査体制を組
み、期間内に確実に調査を終了させることで合意できました。

 来年度の予算要求でも、対前年度予算の25倍近い54億円を海上保安庁
が要求するのをはじめ、政府全体で104億円の予算を要求しています。

 将来の日本のために、小泉内閣をあげて大陸棚調査に取り組んでいきます。
大陸棚調査は、まさに「国家百年の計」であり、資源大国のための唯一の途
なのです。