EEE会議(Re:核燃料サイクル政策論争:再処理、プルサーマルの経済性など: 永崎氏から豊田氏へ)....20031001

昨日(9/29)の豊田正敏氏のメールに対し、永崎隆雄氏から次のメールをいただきまし
た。ご参考まで。

なお、これで豊田氏と永崎氏の間の直接対決は打ち切りということになりましたが、
本件論争自体が打ち切りとなったわけではありませんので、引き続きご意見のある方
は積極的にご開陳ください。また、この機会に、ここ数ヶ月来豊田、永崎両氏を中心
に展開されてきた一連の論争(すべてHPに掲載)を論点別に整理し、比較対照表の
ような形で簡潔にまとめて見たら有意義ではないかと思いますが、残念ながら小生に
は目下その時間的余裕がありませんので、どなたか率先してそのような作業を引き受
けてくだされば誠に幸いです。とくに、先日「核燃料サイクル問題タスクフォース」
への参加希望をお寄せくださった方々にお願いできればと思いますが、もちろん個人
でやっていただいても結構です。

ちなみに、中神靖雄氏は、9月30日を以って核燃料サイクル開発機構副理事長を退
任されたとのご通知がありました。同氏には今後とも引き続き本件関連論議にご参加
いただけるよう願っております。
--KK

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 豊田様!
 有益な議論ありがとうございました!
 豊田様の多くの批判や諦観に対して、多くの現実肯定と改善提言を考え、試みまし
た。

 また日本の再処理を高くした責任者として豊田様の責任も追及しました。

 私の考えは再処理が高くなったのは、日本の総括原価主義の電力制度が原因で、こ
れによって日本の企業も発展して来た効用もありますので一概にこれを批判はしてい
ません。
 日本の物価そのものが欧米やアジアより遥かに高いのです。
 ガスコンバインドサイクルだってワンススルー直接処分だって世界に比べたら遥か
に高いのです。そしてこの高物価社会の中ではプルサーマルは比較的に安いのです。

 私が批判したのは豊田様が再処理を電力でやると主張してやってこられたのに、社
長を退任し、少し調子が悪くなると自分とは関係無いかのように、ご自分のご子息に
相当する再処理工場を批判されることです。この再処理は日本の将来を切り開く素晴
らしい子供です。

 フランスCEAのMIT報告への反論が私の主張と同じです。

 これを再処理輸出国だからプルサーマルを擁護するのは当たり前と退けてしまうの
が豊田様の結論のようです。

 フランスも日本も原子力を持続可能なエネルギーと位置づけ、その持続可能性を追
求するなら廃棄物の最小化とエネルギー資源利用効率の改善ができるプルトニウムリ
サイクルが必要で、まず経済性からも実績からも問題のない軽水炉リサイクルが最も
実現性のある第一歩としています。

 それは資源利用効率改善では効果が少なくても、地層処分対象高レベル廃棄物量を
大幅に減らし、放射能の減衰を早め、将来世代の環境安全性を大幅に改善するからで
す。

 豊田先生! 日本だって、フランスのような再処理輸出国になれます!
 再処理を認められた唯一の非核兵器国です!再処理工場の拡散は問題でも商業炉か
らの劣化したプルトニウムの核拡散問題は過剰反応です。
 アジア諸国への再処理サービスは日本の役割になります! 

 議論は尽きないようですが、ご提案により今回はこれで打ち切ります。
    
    永崎

 ----- Original Message -----
From: "Kumao KANEKO" <kkaneko@eeecom.jp>
To: <Undisclosed-Recipient:;>
Sent: Monday, September 29, 2003 10:22 PM
Subject: EEE会議(Re:核燃料サイクル政策論争:再処理、プルサーマルの経
済性など: 豊田氏から永崎氏へ)