EEE会議(Re:核燃料サイクル政策論争: Re:PUREX法について).............................................031009


標記件名の佐藤 治氏(原研)のメール(10/7)に対し、再び豊田正敏氏から次のよう
なメールをいただき
ました。 ご参考まで。
-KK
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佐藤氏の説明に対してコメントします。丁寧な説明有難うございます。私は、佐藤氏
が、「フッ化物揮発法は
日本で成功していませんし(使用済燃料試験は未だやったこともない)、アルゴンヌ
の方法は金属燃料が前提
(今の原子炉燃料には使えない)、酸化物溶融塩法はもともと燃料製造法で再処理に
向いた方法ではないので
未だに成立性に疑問が呈されています。」という言い方を反対派にしていては、後で
問題にならないかと懸念
しております。

私も「フッ化物揮発法、塩化物法、酸化物熔融塩法等は、まだ実用化の目途が立って
いない段階」で、「近い
将来、六ヶ所再処理工場の代わりに利用できるような技術ではない」と考えており、
「乾式再処理は、まだ多
くの課題があり、実用化までには敷居が高い」にも同意します。しかし、「未だに成
立性に疑問が呈されてい
ます。」というのは言い過ぎではないでしょうか。一方、私がこの問題を提起したの
は、再処理技術の現状を
全く理解していないにもかかわらず、再処理費はすぐにでも安くなるとか、再処理輸
出国になることを考えろ
といったといった勇ましいことを言う人がおり、これを信じている会員の人がいるか
もしれないと危惧したわ
けです。

佐藤氏の言っておられるように、「早急に、コスト低減の可能な選択肢を絞り込み、
その実現に向けて強力に
取り組むべき」でありますが、未だ、各所でバラバラに実験室規模の実験しか行われ
ておらず、何時、誰がど
のような評価を行って、コストダウンの可能性のある一つの方式に絞込み、どのよう
な実施体制により、パイ
ロットプラントの段階に進むのかをはっきりさせた年次の入った具体的実施スケ
ジュールを示し、それを計画
どうり、実施すべきであると考えます。私は、佐藤氏の説明を聞いて、今のような状
態で、JNCの言っている
ように、2030年までに実用化するのは極めて困難であると改めて認識しております。
なお、ピューレックス法
は、純度の高い核兵器用プルトニウムを抽出するために開発された技術であり、本質
的に、燃焼度の増加とと
もに飛躍的に再処理コストが高くなると考えております。乾式法では、FPやアクチニ
ド元素などの不純物が多
く含まれ、燃料成型加工費が高くなり、かつ、燃焼度の低下についても検討する必要
は無いのでしょうか。
また、再処理工場には、分離、分配工程の他に、使用済燃料受け入れ、燃料プール、
せん断、溶解、分離、分配、精
製、ガラス固化、廃棄物処理、高レベル廃液タンクなどの貯槽類などの各工程がある
ので、分離、分配工程のコス
トを1/2~1/3に低減したとしても、全体のコストをそれほど下げることは出来ませ
ん。従って、その他の工程の
合理化も併せて行う必要があると考えます。前途は、必ずしも生易しいものでは無い
と考えますが、関係者の
最善のご努力を期待しております。以上

----- Original Message -----
From: "Kumao KANEKO" <kkaneko@eeecom.jp>
To: <Undisclosed-Recipient:;>
Sent: Tuesday, October 07, 2003 2:25 PM
Subject: EEE会議(Re:核燃料サイクル政策論争: Re:PUREX法について)