EEE会議(Re:第5回講演・研究会の概要:とりあえずのご報告: 杉 暉夫氏の感想)......................031017


昨日(10/16)午後開催された第5回講演・研究会(講師:山地憲治氏)に出席された
杉 暉夫氏(特別会員、原研OB)から、次のような感想が寄せられました。ご参考
まで。
--KK
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昨日の山地先生の講演・討論の会、よい勉強になりました。あらためて、感謝致しま
す。

私も昭和33年に原研に就職してから、45年以上、原子力界に身を置いています
が、現役時代は目前の仕事の追われ、原子力の抱えている「巨視的」(または社会
的)問題点を把握することが出来ませんでした。昨日の講演と討論を通じ、認識が深
まりました。

それにつけても、今般月刊「原子力eye」の編集者が、一部の勢力(反対派以上に
原子力の足を引っ張っている”獅子身中の虫”)の圧力に屈し、読者に対して何らの
「説明責任」も果たさずに山地先生たちの研究グループの連載を中止したことは、原
子力誌の編集者としての社会的責任を放棄する行為です。

古川和男さんの著書「原発革命」ですが、一般の人には難解とも思われましたが、む
しろ原子力界の外の人達から良く読まれて居り、(Th利用の善し悪し等、細かな問
題を離れ、もっと大局的な面で)原子力が国民から正しく理解される基を築いている
と思います。

原子力平和利用の初心は、エネルギーの資源の奪い合いから人類を解放するもので
あった筈です。

利権とゴネ得の横行する「迷路」から、原子力を救出するには、ロマン(初心)を捨
てずに、現実を国民の前に本当の意味で公開することが重要だと感じました。

昨日の山地先生の講演は、一般の人達にも理解しやすいものだと考えます。原子力の
抱えている問題点が正直に述べられているからです。

満州の権益を死守しようと、国際関係における問題点(米英との力関係)を国民の前
に「公開」しなかったかつての軍部の誤りを繰り返すべきではありません。
                    
          2003年10月17日   杉 暉夫