EEE会議(Re:シュワ新加州知事のエネルギー政策)............................................................031024


カリフォルニア州知事に当選したA.シュワルツェネッガー氏が政治家として今後
どういう政策を打ち出すか注目を浴びています。40年前初めてロスアンジェルス
を訪問したとき、小生の友人たちがR.レーガンという妙なハリウッド映画俳優を
州知事選挙に担ぎ出そうとしているのを見て、最初は冗談だろうと思った記憶が
ありますが、アメリカというのは実際面白い国です。(まあ、日本にも似たような
知事がたまに現れますが)。 

今朝偶然拙宅に舞い込んできたあるメルマガにちょっと為になる記事が出てい
ました。シュワ氏のエネルギー政策についても触れています。 「2020年までに
全エネルギー消費の3分の1を再生可能なエネルギー資源で賄う計画」だそう
ですが、果たして実現可能性ありや否や? 
ご参考まで。
--KK

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<特集…新風吹き込むか!シュワ加州知事>

●“挙州一致”で米カリフォルニア州再建へ

 10月7日のデービス・カリフォルニア州知事のリコール選挙で、半数近くの得
票率を得て圧勝し、11月末に知事就任が予定されている人気俳優、アーノルド・
シュワルツェネッガー氏(56)は、政権移行チームを構成し、具体的な政策策定
の準備に取り掛かっている。カリフォルニア州議会も民主党が支配し、民主党支
持者が多いカリフォルニア州で久々の共和党の知事誕生となるが、夫人のマリア
・シュライバーさんは伝統的な民主党支持家系として知られるケネディ家出身と
いう背景を持ち、政権移行チームも共和党、民主党を超えた「挙州一致体制」で
カリフォルニアの再建に取り組む。(ロサンゼルス・宮城武文)


●共和、民主の大物が政権移行チームに

 ハリウッド俳優出身のロナルド・レーガン氏がカリフォルニア州知事となり、
後に大統領にまで上り詰めたときには、政敵は「三流役者の大統領」とこき下ろ
したものだ。

 が、オーストリア・アクセントを揶揄(やゆ)されるものの、「ターミネータ
ー」などでスターの座を確立しているシュワルツェネッガー氏のハリウッド出身
の背景を批判する声は影を潜めている。それどころか選挙戦から政権移行作業を
行っているシュワルツェネッガー氏に対して期待が強まっている。

 政権移行チームの責任者にはデービッド・ドライヤー下院議員という保守派の
共和党議員を抜てきしたが、ジェームス・ハーン・ロサンゼルス市長やウィリー
・ブラウン・サンフランシスコ市長(民主党)という話題の民主党員を積極的に
取り入れると同時に、ヒューレット・パッカード社の女性最高経営責任者(CE
O)、カーリー・フィオリナ氏など経済界の大物も含まれている。

 シュルツ元国務長官やウィルソン元カリフォルニア州知事など各界の大物を取
り込んだ政権移行チームそのものに、「政界アウトサイダーがサクラメントに新
風を吹き込む」という期待が強まっている。

 具体的にはデービス知事の下でエネルギー政策の失敗から巨額の380億ドルも
の赤字を生み、州財政の再建を図ることが急務。その政策立案の中心となるのが、
フロリダ州のダナ・アーデュイン予算局長だ。

 同局長はニューヨーク州知事などの下でも財政再建の実績があり、現在の州財
政の赤字の実態を徹底的に洗い出し、来年早々に具体的な再建策を打ち出すこと
を決めている。「増税なし」の公約を掲げて選挙戦を戦ったシュワルツェネッガ
ー氏だが、至難の財政再建でどういう取り組みをするか注目されている。

●エネルギー政策、財政再建策が課題

 政権移行チームが打ち出したエネルギー政策には、シュワルツェネッガー新政
権ならではの特徴も表れている。このエネルギー政策の中では、電力事業自由化
でカリフォルニア州が大きな損失を被ったにもかかわらず、あくまでも「自由市
場経済」の原則を維持するとしている。

 同時に、エネルギー消費を抑えるために2年以内に新しく建設される家屋の半
数に太陽エネルギー装置を取り付けることを明記、2020年までに全エネルギー消
費の3分の1を再生可能なエネルギー資源で賄うことなどをうたっている。

 共和党が唱える自由市場経済の立場を維持しながら、民主党が主張する環境保
護の立場をミックスした政策だ。

 どういう政策を打ち出すにしろ、民主党が多数を占める州議会で、法案を通過
させていくためにはバランスを重視した議会運営が強いられる。その際に強みと
なるのが、シュワルツェネッガー氏が持つ多岐にわたる人脈だ。

 シュワルツェネッガー氏は、今回のブッシュ大統領のアジア歴訪に先立つカリ
フォルニア州訪問でも「親睦(しんぼく)会談」を開くなど、共和党の大物と太
いパイプを持つことは証明済みだ。州財政再建で連邦政府からの税還元を期待す
ることも表明している。

●最大の強みは夫人の民主党人脈

 しかし、最大の強みはケネディ家の出身であるシュライバー夫人を通じた民主
党人脈だろう。叔父に当たるケネディ上院議員はリコールに反対しながらも、シ
ュワルツェネッガー氏が知事に当選すると、「新しい知事を支援する」と祝福し
た。

 同夫人はNBCのジャーナリストで母親のユーニス・シュライバー氏(ケネデ
ィ上院議員の妹)から受け継いだ身体障害者の支援活動など、弱者、マイノリテ
ィーの味方というスタンスを強く持っている。

 またケネディ家は伝統的に環境保護の立場を支持している。今回のエネルギー
政策の中でグリーンパワーが強く打ち出されているのは、こうした夫人の意向が
反映されているという見方が強い。

 選挙戦中に報道された女性セクハラ容疑では「Aプラスの夫」としてシュワル
ツェネッガー氏を懸命にかばったマリア夫人。共和党保守派からの圧力で政策に
異変が生じるとき、夫人が「モノを言う」(ケネディ家の一員)と予想する向き
が多い。家庭を治めれば国家を治めることになる――スクリーンでしか見られな
かったシュワルツェネッガー氏の「豪腕」がどう発揮されるのか見どころだ。