EEE会議(なぜ、どこまで日本はイラクに関わるべきか?)..................................................031204


次のようなメールを品川信良氏(弘前大学名誉教授、医学博士、EEE
会議特別会員)からいただきました。エネルギーや原子力問題をしばらく
離れて、日本の当面の外交課題や国際社会でのあり方などに思いを
馳せるのも有意義かと思います。どなたでも自由にご意見をどうぞ。
--KK

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ところで、「なぜ原発などを、地方の僻遠の地にばかり造るのか」
の御議論もひと休み状態なようですので、今日は、別の、
それ以上に緊急の課題と思われる諸問題について、
EEE御所属の識者の皆様の、御意見を承りたいと思い、お便りします。
私は大凡のことは、貴方様などからお伺いしたりして、
了解している積もりですが、大方の国民はさっぱり、
何が何だか分からないようですので。

第一問(Q1):イラク以外にも、アフリカ、アジア、中南米などには、
 民主的政権の樹立、民主化、破壊や荒廃からの復興などを
 必要としている国は沢山あるのに、なぜイラクやアフガンなどばかりを、
 アメリカや日本(の政府)などは問題にしているのか。

第二問(Q2):小泉総理をはじめ、政府の要人たちは、何かと言うと直ぐ、
 「国際貢献」、「第二の経済大国として、応分の・・・(註.平和憲法を
 なかばおしつけられ、ともかくもそれを今なお擁し、またいまだに、
 常任理事国でもない国が)」、「国際社会の一員として・・・」、
 「日米の固いきずな」などと言うだけで、それから先の説明は
 ほとんど無い。これでは国民は納得しないのではなかろうか。
 どなたかから、その先の、もっと具体的な説明をお伺いしたい。

第三問(Q3):小泉首相は、「然るべきときになったら、
 私の考えを国民の皆様にお伝えする」旨の発言をしばしばされるが、
 これは総理としては無責任過ぎまいか。なぜ今、もっと詳しく
 「イラクに自衛隊を派遣しなければならない理由」を、具体的に
 言われないのか。世論の動向を見定めているとしか採りようが無い。
 無責任、丸投げなどと言われる所以でもある。それとも、国家的な
 トップシークレットがその先に在るからなのでしょうか。
 その辺を中央の識者の皆様は、どうお考えなのか。

第四問(Q4):むかし戦時中には、比較的少数ではあったが、
 「反戦」の人が、国民のなかにも、軍隊のなかにもいました。
 ところでいま外務省などには、日本の外交方針に反対な方は
 居ないのでしょうか。また外交官には、国の外交方針に対する
 「異議申し立て」の機会は、全く与えられていないものなのでしょうか。

以上、まことに幼稚な愚問ばかりかも知れませんが、私の周辺には、
以上の疑問をお持ちの方が少なくないので、その方々に、
幾分なりとも「まとも」に近いお答えをしたいと思い、
敢えてお尋ねしました。

品川 信良
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PS:
最後のご質問について。 
外交官にも勿論言論の自由はあり、本省や政府の方針に異議を唱える
権利はあるはずですが、それはあくまでも組織内部での話であって、外部に
向かって発表するには、外務公務員法上一定の制約があります。 たとえ
内部での発言でも、あまり派手にやると、最近「さらば、外務省!」などと
いう妙な本を書いて退官した(させられた?)小生の後輩のようなケースも
あります。しかし、あそこまでのリスクを犯して異議を申し立てるキャリア外
交官は今時大勢いるとは到底考えられません。外務省も日本社会の縮図で、
いろいろな人間がいるようですが、大部分は「普通の人間」(良い意味でも、
悪い意味でも)だと思います。
--KK