EEE会議(Re:「プルサーマルは今、どうなっているのか?」).............................................03.12.04

標記件名のメール(12/02, 12/03) に関し、中川政樹氏(丸紅ユティリティ・サービ
ス(株)常務取締役、EEE会議特別会員)からも次のようなご意見が寄せられま
した。ご参考まで。  

今の時代、原子力について論ずることは、まさしく日本という国のあり方や日本人
の生き様について論ずることでもあるのではないかという気がします。そういう趣
旨で、ご意見のある方はこの際大いに吐露してください。
--KK

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自分でもうまく言えない分野なので歯がゆいのですが・・・
どうしたら本当に人の心に訴えられるのか、どういう「言葉」が有効なのか?、まだ
まだ悩んでいるところです。
別途送られてきた中尾さんのペーパーにしても、「数量的」「定量的」精度を網羅し
た力作ですが、これで人が動くのか、要するにHow ordinary people could be
touched というのが分からないところ、レトリックの彫啄が必要なのではないかと
考えており、これは言語論とか広告宣伝の世界の人たちの知見を借りたいところ。

一方、レトリック以前に原子力が「国益」上不可欠なものであることが市民の間で共
通認識となる必要があると思っている。国益」という単語についての理解のインフ
ラが共通に存在していないと、何を言っても美辞麗句に終わってしまう。中尾さんの
主張も「それでどうしたの?」で終わってしまうだろう。それには基本的には一人一
人の国民が自立した「市民」となり、自分の責任とか市民社会の中で生きていくため
に貢献すべきこととかをキチンと確定出来る社会にしない限り原子力に拘わらず、こ
の国を良くしていくことは出来ないと思うものです。

この点では池亀さんが日頃言われる「ムラ社会論」=まだまだ自立した個人になって
いない=なのですが、亀さんもそういう表現をするだけで、流石に社会学の世界にな
るのでこれを主題に論文を膨らませる・・に迄は至っていません。ウェーバー、大塚
史学、川島法学の世界だと思うのですが・・・、今こそこの時代の、日本人のための
「近代主義」(大塚時代に手あかにまみれてしまったものを再生!、平田清明の努力
は一時期ちょっと曙光を指してくれたものだったが早世してしまったので影響が残ら
なかったのは残念、本人の人柄もあったが)が欲しいところ。

これまた断片的なのですが、何とか「国益」という単語を魅力あるものに再生出来な
いものなのか?、竹内原子力委員はこの単語を出すとお前は右翼か・・・と糾弾され
ると嘆いておられましたが、開かれた国際環境の中で、他ならぬ我々日本という列島
にすむ同じ結党を持った人間集団が、世界の中で「誇りを持って」生きていく、それ
は決して排他的挙動ではなく(従って朝鮮人に対する潜在的差別意識も払拭すること
がまず第一に必要)、米国にのみ阿るのではなく、毅然として高い知性を誇る集団と
して生きていくことが大事なことなんだと言う共通認識を形成させること・・・これ
がこの国に生きる人間として重要なことではないか、そういう「基礎訓練」が出来れ
ばエネルギー確保の重要性は冷静に勉強且つ議論出来るようになり、その中で原子力
が当面この国には(*当面・・・というのが重要)必要だということが理解されてく
るのではないのか?(*この「国益」というのが小職にとっては中尾さんの言う「ス
テータス」と同義なのですが)

これが小職が日頃思っていること、残念ながら日銭稼ぎもやっているので体系立てる
ことが出来ないのですが。

妄言多謝

中川政樹
丸紅ユティリティ・サービス(株)



> From: "kkaneko" <kkaneko@eagle.ocn.ne.jp>
> Date: Wed, 3 Dec 2003 01:20:07 +0900
> Subject: Re: EEE会議(「プルサーマルは今、どうなっているのか?」)
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