ＥＥＥ会議（Re: 原子力発電のコスト：電事連試算の意味）....................................................................031217


昨日（１２月１６日）ご紹介した時事通信記事と毎日新聞記事について、後者は
「誤報」ではないかとの小生のコメントに対し、鈴木達治郎氏（電力中央研究所）と
林　勉氏（エネルギー問題に発言する会）から別々に、次のようなメールをいただ
きました。ご参考まで。
どうやら小生の早とちりだったようで、恐縮至極です。ご教示に対し感謝いたしま
す。　
--KK

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昨日の毎日新聞記事も誤報ではありませんでした。電事連は、今後40年間の平均発電
コスト
と、現時点での財務諸表に基づく評価を両方発表したようです。後者が毎日新聞、前
者が電気
新聞の記事、ということです。

　　　　　　鈴木　拝

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電事連の発表した資料によると次のようになっています。

１．時事通信の記事は新設発電所の発電単価を全電源とも運転年数４０年、設備利用
率８０％、割引率３％という同一条件で算出した数値を引用したものであり、公平な
比較といえます。原子力の設備利用率は他の電源より高いので、さらに原子力は割安
になるはずです。なお運転年数４０年の同一条件ではなく、法定耐用年数（水力４０
年、石油１５年、ＬＮＧ１５年、石炭１５年、原子力１６年）で比較した数値も算出
されています。この場合、設備利用率８０％、割引率３％で、石油１２．５、ＬＮＧ
７．２、石炭７．５、原子力７．５となり、ＬＮＧより割高という数値もあります。

２．．毎日新聞の記事は、既存発電所の発電コストを確認する意味で、これまで運転
を行ってきた原子力発電および火力発電の実績発電単価について、電力会社の有価証
券報告書に基づき算定し、比較したところを引用したものです。
００〜０２年度平均値で、原子力：８．３Ｋ￥／ｋＷｈ，火力：１０．０（７．３）
Ｋ￥／ｋＷｈとなっています。火力の括弧内数値は原子力並みに設備利用率を８０％
として換算したときの値です。実際には火力の設備利用率はずっと悪く、１０￥に
なっているのが実態です。従って原子力が割高であるという点を条件抜きで引きだし
てきた記事であるということになります。

 　　　  林　勉


----- Original Message -----
From: "Kumao KANEKO" <kkaneko@eeecom.jp>
To: <Undisclosed-Recipient:;>
Sent: Wednesday, December 17, 2003 12:45 AM
Subject: ＥＥＥ会議（Re: 原子力発電のコスト）