EEE会議(Re:「核燃料サイクル政策論争」の第2弾開始についてのお知らせ)..............031230


先日(12/26)標記メールでお知らせしましたように、新年から、「核燃料サイクル
政策論争」の第2弾を開始したいと考えておりますが、これに関連して、特別会員の
柴山哲男氏(潟Nリハラント、元三菱原子力工業株R料サイクル統括部長)から、
次のような貴重なご提案をいただきました。皆様方におかれましても、これをご参考
にして、年末年始の休暇中に論点の整理や論争の準備作業(ウォ―ミングアップ)
をしておいていただければ誠に幸いです。 追加のご提案、ご要望を歓迎します。
--KK

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 核燃料サイクル政策論争のための問題点及びテーマについて私なりにまとめて見ま
したので論点整理のご参考までにお送りします。なお、論争は総合的なものでも構い
ませんが、出来れば個々の問題についての意見を集約(必ずしも一つでなくても良
い)しつつ全体をまとめて行くのが良いかと思います。

1 ウラン資源問題
  ウランの潜在的資源量と価格を含めた需給関係については、統一した見解がな
く、核燃料サイクル政策に対する提言の差も資源問題の考え方による場合が多い。現
在一部議論が開始されているが、核燃料サイクルの論議の前提となるだけに、最初に
この問題について整理しておく必要がある。海水中のウラン採取の経済性等の議論も
含めても良い。

2 プルサーマル
  現在中断中ですが当面は核燃料サイクルの中心となるだけに、その意義、必要
性、特に経済性等について議論を整理しておく必要がある。

3 高速増殖炉
  必要性、必要時期、経済性見通し、開発体制など論点が多い、今後の核燃料サイ
クルの中心部分であり、十分な議論が必要である。

4 再処理
  再処理の必要性、六ヶ所再処理操業の可否などについて異論も多い。プルサーマ
ル及び高速増殖炉との関連が多いが早急に結論を出す必要があり、十分な論議が望ま
れる。

5 地層処分
  直接の論争はなかったが、核燃料サイクルの最重要項目の一つであり、十分に論
議を行っておく必要がある。

6 直接処分
  処分場の規模、経済性、プルトニウム処分の問題、核不拡散との関連等について
議論があったが、更に検討を進めておく必要がある。

7 中低レベル廃棄物処分
  従来論議はなかったが、ある程度方向性は出ているが、ウラン及びTRU廃棄
物、解体廃棄物などについては今後具体化を図る必要がある。また、研究所、医療機
関などの放射性廃棄物処分についても今後必要な課題である。

8 将来技術
  当面のテーマではないが、現在研究開発段階にある乾式再処理、先進再処理技
術、分離核変換技術などの新技術についての評価も行っておく必要がある。

9  プルトニウム管理
  今後の核燃料サイクル政策と絡んで、我が国のプルトニウム非保有方針、プルト
ニウム国際管理等についても論議を深めておく必要がある。

10 濃縮
  当面の論議がダウンストリーム中心であるが、ウラン濃縮についても経済性が重
要課題になっており、今後論議を深めるべきテーマである。

11 トリウムサイクル
  トリウムサイクルについてはEEE会議でも一部議論があったが十分に議論が尽
くされたとは言えない。ウラン・プルトニウム路線が行き詰まった場合には代案とし
て検討の余地があり、十分な議論を行っておいた方が良い。

12 経済性評価
  上記各項目の論議と関連して各方式の経済性評価、相対比較などについても論議
を行っておく必要がある。但し経済性評価については評価の前提条件によって異なる
ので、結果のみでなく計算条件についての論議も必要である。

13 総合評価、政策提言
  上記の議論を総合して政策提言としてまとめる。意見が一つにまとまれば良い
が、見解の相違点が明らかであれば複数の意見を併記することでも可とする。

柴山 哲男
tetuo shibayama
shibayama@mvh.biglobe.ne.jp



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From: "Kumao KANEKO" <kkaneko@eeecom.jp>
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Sent: Friday, December 26, 2003 11:47 AM
Subject: EEE会議の会員の皆様へ  <重要>