050104 Re:我が国の高速増殖炉開発に関する提言案[第4次案]に対するコメント)  天野牧男氏←豊田正敏氏


皆様
 
標記のメール(05/01/03 天野牧男氏)に対し、木村正彦氏から次のようなコメントが寄せられました。ご参考まで。
高速増殖炉開発問題に関しては、目下取り纏め中の提言案(第4次案:04/12/23配信)をベースに議論を進めておりますので、これを精読された上でのコメントを歓迎します。コメントは小生と柴山哲男氏(shibayama@mvh.biglobe.ne.jp)宛てに1月10日頃までにお送り下さい。勿論、「そもそも論」も排除するわけではありませんので、念のため。
--KK
 
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 高速増殖炉派の天野氏の意見は、なぜ高速増殖炉なのか?
非常に、論理に飛躍があります。特に、エネルギーセキュリティ
を考える→招来を担う高速増殖炉の展開は、何を根拠に高速
増殖炉かということです。今までやってきたから、今後も
続けましょうという議論では、お金のない今のご時世では
通用しません。

 天野氏も豊田氏の議論も、今の少子化・産業空洞化の時代、
我が国の電気消費量は大きな伸びは期待できない現在では、
無力としか写りません。
 リスクの大きい原子力エネルギーを日本で推進することは、
常に漏洩の問題にさらされ、非常にリスクが大きく困難で
あると考えます。ただ、エネルギー消費量が大きく拡大する
中国・インドでは、化石燃料枯渇・二酸化炭素排出の問題も
あり、原子力エネルギーに頼らざるを得ないと考えます。
 また、売り上げの2倍以上の有利子負債を抱える今の電力
会社では、多大な費用を要する技術開発は到底できない相談だ
と思います。ましてや、国でも今の財政状態で兆を超えるような
資金を出す余力はないと推察します。技術が非常に優れ、資金を
出すことに国民的コンセンサスが得られない限り、世論・行政は
動かないと考えます。

 もう少し、高速増殖炉だけでなく、核融合炉も含めた色々な
原子炉を含めて、検討の対象を拡げることが肝要かと存じます。
それが、日本立地ではなく、海外立地も含めた観点において、
地球温暖化問題解決の一助になることを念頭におきながらの
総括的な原子力エネルギーについての活発な議論を期待して
おります。

 天野様・豊田様からの私の拙論への高尚な反論・異論を
期待しております。