050116 2020年の世界情勢を展望した「地球の未来を描く」:米国「国家情報会議」(NIC)の報告書

皆様

以下のような報告書が公表されたそうです。米国のCIAのサイト(http://www.odci.gov/nic/NIC_2020_project.html)から原文にアクセスできます。
本文の59ページ以降には、エネルギー需要増大の関係も載っています。(情報提供:シグナスX−1氏)
--KK
 
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◆2020年、中・印が世界の大国に…米CIA報告書
 
 【ワシントン支局】米中央情報局(CIA)長官の諮問機関「国家情報会議」(NIC)は13日、2020年の世界情勢を展望した「地球の未来を描く」と題した報告書を公表し、同年までに中国のGNP(国民総生産)が日本を超えるなど、中国とインドが世界の大国として台頭すると予測した。
 NICの未来予測はこれが3度目。各地専門家分析と先端IT技術を使った今回の予測では、中印両国の台頭ぶりを強調したのが際立った。報告書は、両国が「19世紀のドイツや20世紀の米国のように新たな大国にのしあがり、地政学を一変させる」としたうえ、「21世紀は、中印に率いられたアジアの時代」になるとしている。
 その原動力は経済成長で、2020年の時点で中国のGNPが米国に次ぎ、インドも欧州諸国に並ぶほどになると予測。技術開発の面でも「世界のリーダーになる位置につける」としている。
 一方日本は、高齢化で経済回復が阻害されるおそれがあり、勢いを増す中国に「対抗するか追随するかの選択を迫られる」と予測。北朝鮮情勢は今後15年のある時点で山場を迎える可能が高いと分析している。
 この間、世界経済の成長は「印象的」に続き、2000年から2020年までに80%成長するとした。
 安保・外交面では、核拡散が進むと見ている。特に中東や北東アジアで、近隣国やライバルの国が核兵器を保有していることが明らかになるにつれ、非核国も核兵器保有を目指すようになると予測している。
 ただし、2020年の時点で「米国の役割は国際秩序の重要な形成者」であり続け、米国は依然として圧倒的な優位を保つとし、大国同士が全面戦争を起こす可能性は20世紀のどの時点よりも低いという見方を示している。
 一方、テロ対策に関しては、報告書は、「向こう15年間で、テロが弱まる兆候はない」と断じ、中東、東南アジア、中央アジア、西欧がイスラム過激派拡張の温床になると予測。テロリストが大量破壊兵器、特に生物兵器を入手する可能性も指摘された。
 アフガニスタンで訓練された国際テロ組織アル・カーイダは今後、影響力を減らし、2020年までには、チェチェンやカシミールなど地域的な分離運動と結びついたイスラム教過激派グループに取って代わられると予測している。
 
 
 (読売新聞 - 1月14日19時54分更新)