050123 原子力国際問題: 検討のためののたたき台=小川博巳氏私案)

 

度々お伝えしておりますように、原子力委員会では、次期原子力長期計画策定上の次の課題として、2月初めから原子力国際問題を取り上げることになっている模様ですが、当EEE会議においても、この問題は大いに関心があるところであり、今後総力を挙げて取り組みたいと考えております。そのため近く「原子力国際問題研究会」(仮称)を発足させる計画で、その予備的会合を1月28日午後3時30分から開く予定ですが、当日の議論の「たたき台」として、特別会員の小川博巳氏が率先して2つのペーパーを用意して下さいました。1つは、下記の建議書(提言案)の「目次」と称するもので、いわば問題点のチェックリストとして有益ではないかと思います。もう1つは添付ファイルのペーパーで、小川氏自身の基本的な考えを纏められたもので、極めて荒削りですが、これまた少なからず参考となると思います。勿論当日はこれらのペーパーにとらわれずに自由にご議論をいただきたいと思いますが、折角のペーパーですので、事前にご披露させていただく次第です。ご参考まで。

--KK

 

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原子力の国際協力に関する建議書」目次

 

1.      国家戦略としてのエネルギー安全保障(背景と理念)

                  1・1.国際情勢の概観

・世界と我国のエネルギー需要動向

    ・エネルギー資源開発と国際紛争(日中、南シナ海など)

    ・石油供給先の多角化(シベリア・サハリン計画を含む)

・中東問題とシーレーン防衛(マラッカ海峡)

・世界の原子力動向(先進国対開発途上国)

    ・核開発と核拡散(NPT体制の現状と将来)

    ・インドをどう見るか? ベトナムにどう対処するか?

    ・「東アジア共同体」構想とエネルギー

1・2.オイルピーク説と対策

1・3.非化石エネルギーのポテンシャル

1・4.環境対策・省エネ・エネルギー備蓄

1・5.温暖化問題:京都議定書とCDM(とくにアジアとの関係)

1・6.原子力によるエネルギー国産化(「原子力で水素」)

・基幹エネルギーとしての原子力発電

・持続的発展を支える原子力

・核燃サイクル確立の意義(FBR実用化の必要性)

 

2.  エネルギー安全保障を支える原子力の国際協力(具体的課題と方法論)

2・1.一国主義を脱し「東アジアのエネルギー安全保障」を構想

2・2.資源開発・融通・国際市場のイニシャティブと日本の役割

2・3.原子力国際協力の推進策

    ・原子力プラント輸出による国際貢献と産業育成

    ・そのための国内体制の確立(原子力協定の整備等)

    ・ITERと次世代開発(「もんじゅ」の活用)

 ・核拡散防止と国際管理(エルバラダイ構想、ブッシュ構想等)

 ・アジア原子力地域協力機構("ASIATOM")の創設、FNCAの再編拡大

    ・人材育成と技術継承("Asian Nuclear University"構想)

 ・国際協調の枠組:「東アジア共同体」構想

3・1.我が国の原子力国際問題への取り組み方

3・2.内閣の諮問機関と執行組織、並びに予算措置

     3・3.民間側の推進体制(大学、企業等を含む)