◆東シベリア油田 中国向け先行か 露が設計に着手 
   (産経新聞 2005/01/27)
 
 【モスクワ=内藤泰朗】日中両国がルートをめぐり競合する東シベリアから太平洋岸への石油パイプライン建設問題で、ロシア国営のパイプライン敷設・管理会社、トランスネフチのバインシュトク社長は26日、同社が中国向けの支線の建設を含むパイプラインの設計に着手したことを明らかにした。インタファクス通信が伝えた。
 ロシア政府は12月31日、パイプライン建設で日本に有利な太平洋ルートの建設計画を採択し、実現に向け大きく動き出したが、石油需要が逼迫(ひっぱく)する中国側の支線が先に完成すれば、太平洋岸まで石油が到達する時期が大幅に遅れることも予想され、今後のロシア側の対応が注目される。
 同社長が26日、プーチン大統領との会談で明らかにしたところによると、同社はシベリアのタイシェト−スコボロジノ間を開通させ、その後、太平洋岸まで延長する。スコボロジノから中国までは70キロで、先に開通する可能性がある。
 日本側は、70億ドル(約7300億円)の建設資金を融資する提案を行っているとされ、その場合、日本の資金で中国に先に石油を送ることにもなりかねず、日本側の反発は避けられない。