050202 Re: オーストラリアのウラン鉱山が再び活況を呈しつつある: 豪州に核燃料サイクル施設を?

 

昨日(01/31)、オーストラリアにおけるウラン産業再活性化の動き、さらにそれに関連して、同国内で濃縮、再処理、廃棄物処分を含む核燃料サイクル事業に取り組むべきであるとするThe Australian紙の(日本人にはいささか唐突な)報道記事をご紹介しましたが、これについて辻 萬亀雄氏から次のような興味ある情報とコメントをいただきました。ご参考まで。

--KK

 

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豪州は未探鉱地域を多く残す、また発見されているが未開発のウラン資源を多く持つ国です。旧ソ連圏・カナダ・アフリカ等と共に日本が今後ともウラン資源供給国として重要視する必要がある国です。この観点と、資源国が付加価値をつけた輸出構想に理解でき、豪州が核燃料サイクル施設をつくる構想(日本国内の関係者がどう思うかは別として)に賛成できます。なかでも日本が濃縮を行い、豪州が再処理を行い、再処理後の放射性廃棄物を豪州国内で地層処分する構想が実現しないかと密かに思っていて、この構想を通じて核廃棄物(及び使用済み核燃料処分)の処分地として豪州に片棒を担ってもらうことを目論む者です。

 

豪州はレンジャー鉱山が開発される際、当時の労働党政権のホーク首相は豪州で販売したウランから出る放射性廃棄物ないし使用済み核燃料を豪州に持ちかえる構想を持っていました。核不拡散とウランマーケットを確保するためと見ておりました。

 

以前、豪州のウラン鉱山開発政策は原子力発電所を保有しないことから核不拡散を最重要視し、ウラン市場をかく乱しない・秩序ある開発をモットーに進めてきました。ウラン市況が長年低迷していて少し先行き明るさが見えてきたとはいえ、エネルギー資源の一環として“The Australian”がこの記事を書くのは画期的と思われます。

 

現在、NUMOが国内で最終処分地を探していること、日本の国内法を改正せねば海外に廃棄物を持ち出せないこと、WMCがXstrata社からのtakeoverに対し防戦を張っていることからみて、際立った話題から避けたほうがよいのではないかと思います。

 

小生は地球規模で見た場合、世界の安定した地層に「高レベル放射性廃棄物」・「使用済み核燃料」を処分できれば、安全性に危惧する人に対し安心を与えられ、経済性も有利であろうと申し上げています。従い、NUMOの動静を見ながら、海外で(高レベル放射性廃棄物と使用済み核燃料の)処分地を得るためと日本資本による合弁で海外再処理工場を建設できるように、日本国内法の整備を進めておくのが一方法とみていますが、豪州は候補地として最適な国とみています。

 

同じ観点からカナダや旧ソ連圏で同じ構想が追求できるとよいのではとみています。

 

辻萬亀雄