050202 日本外交批判: 日露領土問題とエネルギー外交
 
今朝拙宅に偶然舞い込んで来たあるメルマガにこんな文章が載っていました。
小生がこの意見に全面的に賛成というわけではありませんが、現状に対する
一般国民の不満や疑問を反映しているのではないかという気がします。とくに
日露関係において、北方領土問題とエネルギー資源(東シベリア、サハリンの
石油・天然ガス)開発問題をどう天秤にかけるかが当面の重要課題でしょう。
国会でも時々議論されていますが、どうも突込みが足りないように思います。
コメントのある方はこの機会にどうぞ。
--KK
 
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<日本外交のあり方を根本的に見直せ>
 
日本企業がどんどん世界に出て行っている。特に自動車、自動二輪
車などはアジアでの販売台数を拡大している。拡大日本になってい
る。日本企業が世界に出て行くと共に、日本人も世界に出て行って
いる。特に退職者を中心として、アジアなどに定住する人が増えて
いる。そして、このアジアにはヨーロッパの人たちも多い。

特にスエーデン人が多いことは、インド洋津波で犠牲になった2000
人ものスエーデン人がいたことで判明した。そのほとんどが、年金
生活者であったようだ。米国人は予想より大幅に少ない。もう米国
人は金持ちではないことが、このツナミ被害者数でも分かる。国民
の多くが年金だけでの生活ができないという事実があるようで、米
国で年金支給年齢になっても生活のために働く必要があるようだ。

日本人は、逆に年金だけで生活するためにアジアに定住する人が増
えている。このことでもスエデーン人と同程度に日本人は豊かにな
ったことが分かる。しかし、今後の日本を見ると不安になる。

日本の外交政策が親米により過ぎるために、EU・英国などとの関
係が損なわれないか、多くの日本企業が中国でビジネスし利益を上
げているのに、中国との関係を正常化する必要がないかなど世界の
覇権構造:米国の覇権がゆらいでEUや中国などの多極構造になる
変化が起きているのに、日本だけがその変化に取り残されたように
感じるのです。

どうも、日本人は世界から集まってくる情報を収拾して、冷静に見
ないし、それに基づいた今後のシュミレーションをしないように感
じる。自分に都合のいい希望的な観測をしている。このために先の
大戦で敗戦したというのに、また同じ失敗を国際政治で犯している
のです。

特に酷いのが、第2次世界大戦で日本が負けた理由を情報戦を怠っ
たためであると分析している張本人が、親米的な見方しかせずに、
多くの親米には都合が悪い情報を見ないで、日本は米国の属国がい
いと言う。このように敗戦に至る情報分析の仕方と同様な希望的な
情報分析をしている。この評論家が日本の外務省に大きな力を持っ
ているのが、日本の外交政策の問題になっているように感じる。

もう、そろそろ不毛な精神論や希望的で具体性のない政策議論が止
めて、世界の情報を収拾して、シュミレーションを行い、日本の国
益を最大限にする具体的な政策を審議するべきである。ロシアとの
外交交渉でも優先するべき課題は何かが分からないために、ロシア
に譲るべき所とロシアから引き出す所のポイントが全然分からない。

全部日本の言うとおりにはならないし、反対にロシアの言う通りに
もならないのが外交交渉であり、どこかで折り合うポイントを見つ
めることが重要なのである。その譲るポイントが日本サイドに見え
てこない。これでは外交交渉にならない。ロシアは2島返還と譲歩
している。石油のパイプラインを日本優先にするとして譲歩したが
、日本は4島に拘るために、石油パイプラインも中国を先に作るこ
となったようである。

米国のブッシュ第2期就任演説が世界からの悪い評価受けている。
しかし、この評価を日本の親米評論家は無視している。このような
情報を無視することによる日本の国益上の損害は大きいことになる
と思う。日本企業は実世界、現実的に対応するために中国、EU市
場を狙って成功している企業が多くなっている。これに反して、国
際政治分野で日本の政治は成功していない。その原因が、情報を冷
静に見ない。希望的な感情的な見方しかしないためだ。

どうか、問題点に気が着いて、冷静な情報分析をしっかりして、今
後のシュミレーションも行い、国際政治に大きな足跡を日本が残し
ましょうよ。日本の精神文明は今後の世界に重要な意味を持ち、日
本しかできない使命があるのですが、今のような希望的・感情的な
情報分析方法では無理でしょうね。情報分析や情報の見方の変更を
求めます。

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国際戦略コラム  NO.1886                     
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