050205 Re: 日本外交批判: 日露領土問題とエネルギー外交)  択捉を核廃棄物貯蔵所に!?
 
標記のメール(2/4 「日本を愛する男」氏)に対し、ある会員(匿名希望)から
次のようなコメントが届きました。ご参考まで。
--KK
 
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 貴殿の意見は心情的には同意できますが、つまるところ
領土問題は国際政治の
端的な現れです。国家の力量(軍事的な圧力・外交的な謀略)で全て決まります。
昔の日本ならいざ知らず、現在の日本には、遺憾ながらその力量が決定的に不足
しています。

 国民の感情としては、北方領土の4島全ての同時返還(奪還)が当然です。
しかしながら、奪還後、4島のうち一番離れた択捉島に、どんな人が何人住む
のでしょうか? 漁業権は価値があるでしょう。漁業権だけが欲しいのであれば、
「島自体は要らない、海上の『漁業権』だけを返還せよ」と交渉すべきでしょう。

 島を奪還し、そこに日本人が実際に居住するとなれば、インフラ(道路・港
湾・電力・通信・公共施設等)の抜本的な建設投資(財政歳出)が不可欠です。
とくに島の面積が大きい択捉は大きな出費となります。インフラに見合う歳
入(税収)は、殆ど期待出来ません。
 
 また、仮に北方4島の全てを奪還したとすれば、現在住んでいる露国人の処遇
が大きな問題となります。露国本国(大陸)へ戻れと言っても、郷里との関係が
消滅し、戻る拠り所がない人が、続出する可能性があります。そのまま島に止ま
った場合、日本人(日本国籍)とするのか、長期居住の外国人(露国籍)とする
のか、本人の希望で選択させるのか。在日半島人(韓国籍・北朝鮮籍)と同様の
問題が長期間続きます。3島(歯舞・色丹・国後)の奪還(返還)で妥協して、
露国人は択捉島へ移住してもらえば、上記のような「在日」問題は回避できます。

 色々考えると、日本にとって、4島は荷が重すぎる、3島が妥当な現実路線
ではないかと思いますが、いかがでしょうか?
 
 なお、特に択捉については、仮に日本に完全に返還されなくても、これを日露
共同管理地域とし、ここに例えば放射性廃棄物の永久貯蔵所を作るという構想が
あり得るのではないでしょうか? シベリアの奥地へ持って行くより距離的に近
いし、日本からも管理しやすいというメリットがあると思います。ロシアの退役
原潜の核廃棄物の貯蔵にも使えば、一石二鳥か三鳥くらいになりましょう。但し、
地質学的に同島が核廃棄物の永久貯蔵に適しているかどうかは、おそらくデータ
不足で、現状ではなんとも言えないでしょう。EEE会議でもこんな調査研究を
やって、日露両国政府にズバリ政策提言をしたらどうですか?
 
 
   <日本を愛するもう一人の男より>
 
 
----- Original Message -----
From: Kumao KANEKO
Sent: Friday, February 04, 2005 3:47 PM
Subject: EEE会議(Re: 日本外交批判: 日露領土問題とエネルギー外交)

皆様
 
標記のコメント(2/3 Aquila氏)に対し、ある会員(匿名希望)から次のような反論が
寄せられました。ご参考まで。
--KK
 
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  領土問題を単なる商売の駆け引きのような言い方をされているので、一言反論し

ておきたいと思います。

 4島はもともと日本人が住んでいた日本固有の領土でした。それを日ソ不可侵条

約が有効期間であり、なおかつ日本はソ連を介して米国との停戦の仲介を依頼して

いたにもかかわらず、ソ連は一方的に敗戦間際の日本に攻め込み侵略したもので

す。先祖が領有していた固有の領土を単なる商売上の取引とするのは厳に慎むべき

ものです。

 あくまでも歴史を十分に研究し、検討に検討を重ねた上で結論を出すべきもので

す。決して不当にとられた領土を渡すべきでなく、日本人全体が強い態度であたる

ことが、最も早く4島返還を実現する方法です。損得勘定や商売上の問題にした

り、弱い態度に出たりすると、相手の思う壺であり、いろいろな条件を出されて結

局飲むことになります。平和的解決と言っていろいろ譲歩すると、向こうの思う壺

で条件を吊り上げてくるものです。このようにして、今まで日本の国益を害してき

たことが非常に多いと思います。強い態度と戦う意思ほど、日本の国益を守り、結

局は平和に貢献するものです。

 相手が弱いと強く出て、強いと弱く出るのは世の常です。外交で、こちらが譲歩

したら相手も譲歩するであろうと思うのは間違いで、相手にこれ以上強く出ると不

利だと思わせるのが大切です。

 強い意思を持った日本ほど平和外交ができるものです。そのためには日本人全体

が共通の歴史認識をして、”えせ反戦平和活動の宣伝(ソ連と仲良くするために多少

の譲歩をしましょう等々)”に乗らないことです。

 なお、日ソ間は千島列島については江戸時代か明治時代に平和的に樺太との交換

により日本領土となったものであり、日本は4島だけではなく千島列島をも返還要

求すべきものです。日本は千島列島は戦後放棄しましたが、ソ連に渡すと言ったも

のではありません。千島列島は日本領土であったものが日本が放棄した状態になっ

ており、本来ならば無国籍状態です。戦争に勝った米国が保持しているのならばわ

かりますが、日ソ不可侵条約を破ったソ連が領有しているのはおかしなことで

す。まずは千島列島全体の返還を日ソ不可侵条約を破って侵略したソ連(現ロシ

ア)に言うべきです。そこからスタートして、日本人全体が先の戦争でのソ連と日

本の関係を十分に理解して、日本人全体が歴史を共有することが大切です。歴史を

共有しないで損得だけで考えるのは危険です。



以上初めての方に少し言いすぎたところもあるかもしれませんけどお許しくださ

い。領土問題については譲れないとこですので。



  日本を愛する男より
    (原子力とは関係がありませんので匿名とさせてください。)




----------------------Original message--------------------

件名:EEE会議(Re: 日本外交批判: 日露領土問題とエネルギー外交)

皆様

日露関係(領土問題を含む)とエネルギー関係に関し、ある会員から次のような
メールをいただきました。ご参考まで。
--KK

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北方4島が日本の領土であろうと思いますが、先ず2島だけを返してもらい、後は
50年後の返却を確約してもらい、自由貿易区域・visa不要区域に出来ないもので
しょうか?

失礼ですが、これらの島々に生まれた方は、老齢化されていて、お墓参り以外
に、戻って生活したいとお考えの方は少ないのではないしょうか?

北方領土4島が経済的に伸びれば、ロシア系現住民も、時差の無い、より近い日本
に帰属した方が、生活が良くなる、と考え始めるでしょう。

甘すぎるかもしれませんが、日本の石油・核問題を進める上で、「負けるが勝
ち」の戦略もあるのでは?


ハンドルネーム:Aquila
                                                                           
                                                                           
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