◆「もんじゅ」改造工事へ 福井県知事きょう文科相に了解伝達
   (中日新聞、2005年2月6日)

 1995年12月のナトリウム漏れ事故以来、運転を止めている核燃料サイクル開発機構(核燃)の高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の改造工事について、西川一誠知事は6日、所管する中山成彬文部科学相と面談する。西川知事が工事了解のための最終条件としていた「もんじゅ」に対する文科省の考えを確認した上で、中山文科相に対し、核燃に事前了解するとの意向を伝えるものとみられる。

 核燃は、知事の了解が得られ次第、すぐに工事着手する考え。国の核燃料サイクル政策を進める上で重要な研究施設に位置付けられる「もんじゅ」は、事故から10年目で運転再開に向け動きだす。

 運転再開の前提となる改造工事は、国による安全性確認が終わり、県と事業者が結ぶ安全協定に基づく知事の事前了解を残すだけになっていた。西川知事は了解の条件に▽県エネルギー研究開発拠点化計画の具体化▽10月に核燃と日本原子力研究所が統合してできる新法人での「もんじゅ」の位置付け−を挙げ、これまでに国の担当者や核燃から前向きな回答を得た。中山文科相との面談で、工事了解の条件はすべて整うことになる。

  <もんじゅ>  動力炉・核燃料開発事業団(核燃の前身)が1985年に着工し、94年4月、核分裂が連続する臨界を達成した。最大出力28万キロワット。プルトニウムとウランの混合酸化物を燃料に使い、発電しながら消費した以上に燃料を生み出すことが可能な高速増殖炉の研究開発段階の原子炉。日本の原子力政策の柱である核燃料サイクルの中核施設と位置付けられたが、95年12月8日にナトリウム漏れ事故を起こし、運転を停止している。
 
(提供:熱田利明氏)