050207 Re: 日本外交批判:日露領土問題とエネルギー外交のコメント)のコメント
 
標記メール(2/5「日本を愛するもう一人の男」氏)に関し、木村正彦氏
から次のようなコメントが寄せられました。ご参考まで。
--KK
 
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 おはようございます。減速経済(いや減退経済)の日本に
おいて、領土が増えることが、いいことであるかどうかという
根元的な議論が必要だと思います。

 例えば、本土復帰になった沖縄。全国一の失業率、全国一低い
所得水準。といった具合に、地理的な悪条件もありますが、本土
と同等の生活水準をもたらすためのインフラの整備一つをとっても
多大な投資(カネ・モノ・ヒト・トキなど)が必要です。

 ましてや、北方領土は、北海道より極寒の地、米軍もいなくて、
あるのは自然のみでしょう。領土返還を叫ぶ前に、北方領土を
返還された場合どうやって、国土開発・環境保全・産業育成を
いかに、どの費用を使ってしていくかという議論がまず先で、
「まず領土を返せ!」では、住んでいらっしゃる島民の方が
たまったものではないと思います。島民不在の領土問題論議
はどうかと考えます。

 結局、北方領土のインフラ整備には、国民の大切な税金を
使ってやられることは間違いない事実です。電力供給網整備
を北海道電力様が全部自社努力でやっていただけるとは思い
ません。

 外交的・歴史的など北方領土の問題は、多くの課題を含んで
います。領土返還されたら、一部の大企業(商社・観光業者・
不動産業者・建設業者など)の草刈り場になって、豊かな自然
が踏みじられて、二度といい環境が戻ることがなかったという
ことには絶対にして欲しくないと思います。

 歯舞・色丹だけ、3島、4島、全島などの返還議論より、
千島列島が、今後どうやったら、島民の方の生活を含め、
一番いい方向に進むことができるかを模索することが
大切ではないかと思います。
 それを、日本人が単独やるのか、ロシア人がやるのか
(何もやらないと思うが…)、日本・ロシア共同でやるのか、
アメリカも入れるのかといった極小の次元も問題は、
その後でいいのではないのかと思います。

 会員各位の忌憚無きご意見をお待ち申しております。
 
 
----- Original Message -----
From: Kumao KANEKO
Sent: Saturday, February 05, 2005 11:16 AM
Subject: EEE会議(Re: 日本外交批判: 日露領土問題とエネルギー外交)  択捉を核廃棄物貯蔵所に!

皆様
 
標記のメール(2/4 「日本を愛する男」氏)に対し、ある会員(匿名希望)から
次のようなコメントが届きました。ご参考まで。
--KK
 
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 貴殿の意見は心情的には同意できますが、つまるところ
領土問題は国際政治の
端的な現れです。国家の力量(軍事的な圧力・外交的な謀略)で全て決まります。
昔の日本ならいざ知らず、現在の日本には、遺憾ながらその力量が決定的に不足
しています。

 国民の感情としては、北方領土の4島全ての同時返還(奪還)が当然です。
しかしながら、奪還後、4島のうち一番離れた択捉島に、どんな人が何人住む
のでしょうか? 漁業権は価値があるでしょう。漁業権だけが欲しいのであれば、
「島自体は要らない、海上の『漁業権』だけを返還せよ」と交渉すべきでしょう。

 島を奪還し、そこに日本人が実際に居住するとなれば、インフラ(道路・港
湾・電力・通信・公共施設等)の抜本的な建設投資(財政歳出)が不可欠です。
とくに島の面積が大きい択捉は大きな出費となります。インフラに見合う歳
入(税収)は、殆ど期待出来ません。
 
 また、仮に北方4島の全てを奪還したとすれば、現在住んでいる露国人の処遇
が大きな問題となります。露国本国(大陸)へ戻れと言っても、郷里との関係が
消滅し、戻る拠り所がない人が、続出する可能性があります。そのまま島に止ま
った場合、日本人(日本国籍)とするのか、長期居住の外国人(露国籍)とする
のか、本人の希望で選択させるのか。在日半島人(韓国籍・北朝鮮籍)と同様の
問題が長期間続きます。3島(歯舞・色丹・国後)の奪還(返還)で妥協して、
露国人は択捉島へ移住してもらえば、上記のような「在日」問題は回避できます。

 色々考えると、日本にとって、4島は荷が重すぎる、3島が妥当な現実路線
ではないかと思いますが、いかがでしょうか?
 
 なお、特に択捉については、仮に日本に完全に返還されなくても、これを日露
共同管理地域とし、ここに例えば放射性廃棄物の永久貯蔵所を作るという構想が
あり得るのではないでしょうか? シベリアの奥地へ持って行くより距離的に近
いし、日本からも管理しやすいというメリットがあると思います。ロシアの退役
原潜の核廃棄物の貯蔵にも使えば、一石二鳥か三鳥くらいになりましょう。但し、
地質学的に同島が核廃棄物の永久貯蔵に適しているかどうかは、おそらくデータ
不足で、現状ではなんとも言えないでしょう。EEE会議でもこんな調査研究を
やって、日露両国政府にズバリ政策提言をしたらどうですか?
 
 
   <日本を愛するもう一人の男より>