050208 Re: 鹿児島県笠沙町長と高レベル廃棄物処分場問題: 後日談:  松岡氏←豊田氏
 
標記のメール(2/7 松岡 強氏)に関し、豊田正敏氏から次のようなコメントをいただきました。このメールは松岡氏宛てとなっておりますが、内容の重要性に鑑み広く全会員にお目にかけます。ご参考まで。
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 笠沙町長の高レベル廃棄物処分場誘致問題について、松岡氏の鹿児島県知事宛の書簡は、同氏の気持ちは判らないでもありませんが、原子力関係者の独りよがりの考えを押し付け、知事を難詰するようなことをしていては、かえって逆効果になることを懸念しております。高レベル廃棄物処分については、国民の9割以上が、危険であると考えている現段階で、国の方針であるとか、法律がどうだといっても、県民の健康と安全に責任のある知事の立場として、慎重にならざるを得ないことにも配慮し、時間をかけた説得が必要であると考えます。
 この問題は先ず、県民の70~80%が高レベル廃棄物処分は安全に行えることを納得してもらえるような理解活動をすることが先決であり、次いで、今回のような市町村長の誘致の申し出でがあった場合、実施主体のNUMOは、市町村長が誘致の公表するのを待ってもらい、先ず、地点の所有者特に公募上の瑕疵がないかどうか、岩盤など処分場に適しているかどうか、処分面積は十分か、掘削土量の処理は出来るか、港湾は容易に作れるか、事故または急病人の輸送のためのヘリコプターの発着場の建設できる場所があるか、地元情勢特に漁業組合の同意が得られるかなどの検討を行い、適地であることの判断をすべきであると考えます。適地であるとの結論が得られた段階に、県知事及び2~3の県幹部に非公式に接触して理解が得られるよう努め、しかる後に、候補地の公表に踏み切るべきであると考えます。
私が繰り返し言っているように、公募方式のみに頼り、適地であるとの判断もせず、知事の同意も得ないままで市町村長の独断で誘致の表明をするような手順では成功するとは考えられません。特に、周辺の市町村や漁業組合の反対があった場合、立ち往生する可能性が高いと考えられます。以上

 
----- Original Message -----
From: Kumao KANEKO
To: Undisclosed-Recipient:;
Sent: Monday, February 07, 2005 1:13 PM
Subject: EEE会議(鹿児島県笠沙町長と高レベル廃棄物処分場問題: 後日談)


皆様

鹿児島県笠沙町の中尾昌作町長がさる1月7日、高レベル放射性廃棄物最終処分場を宇治群島へ誘致する構想を明らかにし、町議会等の反対で2日後に白紙撤回した件についてはEEE会議メール(01/07, 01/08など)でも詳しくお伝えしました。その後、特別会員の松岡 強氏は本件に関して、中尾町長の勇気ある態度に感謝を表明する趣旨の書状(添付ファイル)を送られたところ、このほど同町長より丁重なご返事を受領された由にて、これをお送り下さいました。なお、松岡氏は本件に関して原子力委員長及び鹿児島県知事に対しても書状を送られた由にて、併せご披露いたします(添付ファイル)。ご参考まで。
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頭書に関しまして、先に鹿児島県笠沙町長へ添付書信をお送りしましたところ、下

記のようなご丁寧なお返事を頂きましたのでご参考までにお送りいたします。

2/7 松岡強


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  拝啓

  松岡様、あたたかい励ましの言葉をいただき、ありがとうございます。
  心から感謝申し上げます。
  笠沙町のホームページ・掲示板には、多くの反対意見が寄せられ、私の考えに賛
  同または応援して下さる方は少なく、心細く感じる時もありましたが、「撤
  回」以後多くの方々から励ましの言葉や賛同(この問題は国民全てが真剣に考え
  なければならないと)のご意見をいただき、胸を熱くしております。
  私は昭和28年生れで、東京の水産大学を卒業後、地元に帰り20年間漁業に従事し
  ていましたが、平成8年9月の町長選挙に現職との一騎打を征し、現在3期目で
  す。これまで2年間この問題に取り組んで来ましたが、合併が今年11月7日に迫
  り、県との調整はもう少し残ってはいましたが(知事は同意できない)このまま
  提起しなければ、永遠に封をしてしまうことになり「後々、悔いを残す」と意を
  固め、今回の行動となりました。
  出すタイミングや時期、作戦など終ってからいろいろと言われましたが、私はこ
  の問題はそういうことは「通用しない」と実感しました。
  いかなる手段・方法を取っても話を出した時点で、このようになってしまう
  と...。
  今回は問題提起(残念ですが)に終りましたが、これ以後は話しが先に進み易く
  なったのではないかと思います。
  私は合併で失職しますが、今回の件が小さくても火種となり、もしかしたら何年
  か後に新市(南さつま市)で再燃するのではないかと思います。(そうなってほ
  しいと思っています)
  失職後、どういう仕事をするかは、まだ決めていませんが(今の町長職を全力で
  全うすることが私の責務だと思っています)この問題は永遠のテーマとして取り
  組んでいきたいと思っています。
  あたたかい励ましのお便り、本当にありがとうございました。
                                                                       敬具

                    平成17年2月2日  笠沙町長 中尾昌作