050209 経済産業省:事務次官等会議後記者会見の概要 (2月7日)                                         
                        
(質疑応答)
 
【ロシアの太平洋パイプライン】
 
Q: 週末に、ロシアのエネルギー当局者が、日本よりも中国の方にシベリアの石油の輸送が先になるというような発言が伝えられておりますけれども、これの太平洋ルートへの影響などを含めて、次官の考えをお願いします。
 
A: いわゆる太平洋パイプラインの構想について、いろいろな報道があるようですけれども、ロシア政府の決定は、昨年末に決められたものでありますけれども、パイプライン建設の段階などの詳細な考え方、これは5月までに決めるというようなものがロシア政府の決定でありまして、それ以外の政府の決定があるというふうには我々は承知をいたしておりません。
 従って、このロシア政府の中でどういった詳細なプログラム、計画というものがなされてくるかということを私どもは大きな関心を持ちながらフォローをいたしたいと思っておりますし、必要があれば、いろいろなレベルでロシア政府とも話し合いなり協議をして議論が深まっていくということを期待をいたしているということだと思っております。
 
 
【高速増殖炉もんじゅ改造工事】
 
Q: 昨日、福井県知事が高速増殖炉もんじゅの改造工事に了解を出しましたけれども、これについて感想を聞かせていただけますか。
 
A: 今おっしゃいましたように、昨日、福井県知事から、県としてもんじゅの改造工事について了解をいたしたいというご発言があったということでございます。
 今の原子力長期計画の中でも、高速増殖炉は、将来のエネルギー問題の解決に向けた技術的ないろいろな選択肢の中で潜在的可能性が最も大きいものの一つとして位置づけをされていますし、一昨年の10月につくられましたエネルギー基本計画でも、もんじゅの研究開発などのいわゆる核燃料サイクルの早期確立に向けた研究開発を行うということになっているわけでありまして、今回、知事からこういった今申し上げましたようなご発言があったということは、高速増殖炉の研究開発に向けた大きな前進であると思っておりまして、知事のご判断というものについて、我々として敬意を表したいと思っております。
 これからもんじゅの改造が行われて、高速増殖炉にかかわる技術の研究開発というものが進んでいくことを我々としては期待をしているというところであります。もちろん安全確保、それから地元の方々のご理解というものを得るということがその大前提になるわけでありますけれども、そういった前提をきちんとクリアしながら、今申し上げました研究開発というものに着実に取り組んでいくということが大事ではないかと思っています。
 
Q: もんじゅについては、最高裁に上がって、判断はまだ出ていないと思うんですけれども、その前にやるというのはどうなんですか。
 
A: もんじゅについて、裁判でどういうふうになるかわかりませんけれども、それから今の改造工事というものが具体的にどのくらいの期間かかって、その後どうなるかというきちんとしたスケジューリングを前提に置いてはいませんけれども、裁判の結果が出るまでは改造工事はしないというようなことではないと思います。地元のご理解をいただいたわけでありますから、改造工事について、当然のことながら安全確保を大前提に置きながらこれを進めていくと、あるいは地元の理解をきちんと得ながら進めていくということではないかと思っています。
 
Q: 地域振興と引きかえにゴーサインを出したような感じもあるんですけれども、文部科学大臣がわざわざ福井に出向いて一言知事からもらうために行ったようなニュアンスもちょっと感じるんですけれども。
 
A: 担当大臣が地元の理解を得るために最大限努力をするというのは当然のことだと思います。
 
                                 (以 上)