◆高速増殖炉: 現行の新長期計画継承へ 原子力委

  (毎日新聞 2005年2月10日) 

国の原子力政策の方向性を決める原子力委員会の新長期計画策定会議は10日、高速増殖炉開発について、停止中の原型炉「もんじゅ」の運転を早期に再開し、研究開発を進めるとする現行計画を継承する方針を決めた。もんじゅ後の実用化については、2015年ごろから国が検討するとし、結論を先送りした。
 会議では、運転再開によって冷却材のナトリウムの取り扱い技術を確立し、発電プラントとしての信頼性を実証することが了承された。ただし、一部の委員からは「費用対効果を厳しく評価すべきだ」との意見も出た。
 一方、実用化については、炉や再処理方法などについて核燃料サイクル開発機構や電力会社が2015年度にまとめる「戦略調査研究」を踏まえて、国が方針を決めることした。
 もんじゅは95年のナトリウム漏れ火災事故で運転が停止したが、地元福井県の西川一誠知事は今月、運転再開の前提となる改造工事を了承した。
【足立旬子】