050216  「高速増殖炉開発に関する緊急提言」(1/19公表)のフォローアップについて: 豊田正敏氏の意見


すでに再三ご案内しておりますように、「高速増殖炉開発に関する緊急提言」(1/19公表)のフォロー
アップを行なう目的で、近くタスクフォース会合での議論を再開する予定です。今回何をどう議論して
ゆくかについては、当然、前回の提言取り纏めの際時間不足のため「積み残し」にしたいくつかの問題点
から取り上げてゆくことになろうかと思いますが、具体的なことは、2月18日(金)午後2〜4時(町
末男原子力委員の講演会の前)に開催予定のタスクフォース会合において改めてご相談したいと思います。
 
しかるところ、本日、豊田正敏氏から、上記の問題に関連して次のようなメールをいただきました。
まさに同氏がここで提起されているような事項をどう検討してゆくかについて18日のタスクフォース
会合でじっくりご相談したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。なお、当日タスクフォ
ース会合にどうしても出席できない方々は、できれば事前にメールでご意見をお出しいただければ誠に
幸いです。
--KK
 
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今回、高速増殖炉問題を再び取り上げようとされておりますが、1月13日に私始め数人の方から、審議の進め方
について重要な意見を申し上げましたが、細部であるとして取り上げようとされなかったにも拘わらず、今回、
取り上げてどのような検討をされるつもりなのかお伺いします。この問題は重要な問題点について体系的か
つ、専門的に検討した上で議論すべきであり、問題点としては、前回申し上げた以下の項目についてさらに検討
する必要があると考えます。経済性の見通しもなく、リスクも大きすぎる状態のままでは、実証炉に資金を出
す機関はない点を十分認識されたい。
(1) 現在、JNCが考えている基本設計で軽水炉並みの建設費になる見通しがあるのか。さらなる系統の単純化
によるコストダウンが必要ではないか。逆に、コンパクトしすぎてトラブルの原因にならないか。さらなる系
統の単純化によるコストダウンが必要ではないか。逆に、コンパクトしすぎてトラブルの原因にならないか。
(2)経済性について建設費のみでなく、燃料サイクル費、運転維持費、稼働率などより、軽水炉並みの経済性が
得られるか。その際、ウランの需給及び今世紀末のウラン価格の見通しを考慮すべきである。
(3) 経済性のみでなく、安全性、信頼性、稼働率、核不拡散抵抗性、社会的受容性などについて多くの問題点
が指摘されているが、その解決の見通しはあるのか。
(4)  実用化のためには、国の体制一元化のみでなく、それよりも技術開発を担当するJNC及び機器、装置の
設計、製作、据付を担当する原子炉メーカーの役割の方がより重要であり、その具体的改善案を具体的に示す
べきである。特に、JNCと原研の統合した機構で実用化が可能か。
(5) 国際協力については、どのような目的で、どのようなテーマで協力すべきかについてもっと具体的に検討
すべきである。研究開発に偏ることなく、運転、保守、トラブル対策及びプラント設計の改善策に重点をおく
べきである。  以上 

豊田正敏
toyota@pine.zero.ad.jp