050218  Re: 高速増殖炉開発問題: 今後の議論の進め方について:  中神靖雄氏の意見(修正版)


FBRに限らず、高度な技術と時間を要する、新製品の自主開発・
実用化には忍耐が必要です。
FBR実用化への要件を満たす技術は何か、現状はその方向性を
見いだした段階で、技術成立性の為の工学規模の実証試験や経済性の
検証はこれからの作業です。
今「経済性の見通しが不明確」「技術の成立性に確信がもてない」と
の理由で実用化に向けた研究開発にブレーキを掛けるようでは、結局
技術は外国から高い対価を払って買ってくることになりかねないと
思われます。

「今までのJNCのような体制では実用化はおぼつかない」とのご意見
に対しては、これまでの国策大型プロジェクト(H2ロケット、石炭
ガス化、FBR等)の体制に問題があったと指摘されています。
名乗りをあげた企業・組織に仕事をばらまき、国或いは特殊法人が取り
まとめる体制では、責任の所在が不明確との過去の反省から、
H2Aロケット、石炭ガス化では、「Single Responsibility」の責任
体制に改めています。
メーカーは沢山あってよいが、その品質・性能・工程・予算に対し一社
が統括責任を持つというものです。

官民の役割分担についても議論がありますが、国の補助金と電力の出資、
それにメーカーが経営に参加している「石炭ガス化研究組合」(勿来に
実証炉建設中)が一つの参考になると思います。
FBRの場合、石炭ガス化よりも、官民の費用負担割合は「官」の比重が
高い必要があると思いますが。

                       中神靖雄