050220  Re:日露エネルギー協力と北方領土問題 : 品川信良氏の意見
 
日露エネルギー協力問題(東シベリア、サハリン石油・ガス開発など)と北方領土問題に
ついては1月から2月初めにかけて色々議論しましたが、これに関連して、弘前市在住の
品川信良氏(弘前大学名誉教授、医学博士)から次のような興味あるコメントをいただき
ました。ご参考まで。異論、反論のある方はどうぞ。(匿名もOKです。)
--KK
 
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いつも、極めて多方面にわたる貴重な情報の提供、ありがとうございます。
特に、北方領土問題に関する情報に、私はいつも注目しております。
ところで、この件に関して、これまでほとんど取り上げられなかったかと
思われる視点(ないしは視角)を、一つ、提供してみたいと思います。
これは私が、サハリン、シベリア、ロシア、ベラルーシなどの人々のほか、
何人かのアメリカ人とも話した結果、得てきた感触の一つです。
何かの御参考になれば幸いです。
外交問題の素人が、余計な口出しをするみたいですが。
また、これに対するコメントや反論などを、EEE会員の皆様から
頂ければ幸いです。

1.ロシア人は、北方領土、特にエトロフ島に対して、軍事的な何かを
  感じているようです。それは、かつての日本海軍との絡みもあるかと思います。
  また日本に返還すれば、またあの島が、何か(対ロ)軍事的に使用されまいか
  と、心配しているようにも見受けられました。従って、返還された暁の
  日本側の利用し方などについても、何か話し合う必要があろうかとも思いまし
  た。

2.悲観的な話になりますが、アメリカが沖縄に居る限りは、ロシアは、
  エトロフ、クナシリは、手放さないかと思います。彼らは直ぐ、
  アメリカの沖縄駐留の話を出したがります。

弘前市  品川 信良
shinryo@smile.ocn.ne.jp
 
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上記2.に対するコメント:
 
 沖縄は外交交渉により日本に返還(1972年)され、日本の領土になっています。
返還後も米軍が引き続き駐留しているのは確かですが、それは日米の合意(安保条約)
に基づき米軍が日本の領土に駐留するという形になっています。ここが北方領土とは
根本的に違います。
 
 北方領土についても、日本の領有権さえ正式に認められれば島々の返還時期や
具体的な使用方法(共同管理構想を含む)等については交渉の余地はあるはずですが、
それをロシア側が頑なに拒否しているところに問題があるのだと思います。
 しかし日本側としても、具体的な使用方法について先に話し合うことは、交渉上
不利になるということで、動けないのが実情でしょう。シベリアやサハリンのエネル
ギー協力が順調に進めば日露信頼関係が醸成されて、やがて北方領土問題の解決に
も?がるだろうという考えもありますが、ロシアがそれにうまく反応するかどうか
疑問とする見方もあり、なかなか楽観を許されないようです。
--KK